介護タクシーの営業許可に付随する形で認められる「ぶら下がり許可」。
ヘルパーさんの自家用車を用いて、利用者を送迎できるようなるため、介護現場の問題解決に役立っています。
またこの許可は、白色ナンバーを用いての輸送を可能にするため、介護タクシーや訪問介護などの事業拡大にも役立てることが出来ます。
しかし、どのようなケースにも許可が下りるわけではありません。
前回の記事では、事業所としての許可要件とメリットを解説しました。
今回は「ぶら下がり許可」について、運転者に必要な資格と許可が下りるための車両設備、運行体制の許可基準について解説していこうと思います。
この記事は…
- 介護施設を運営している事業者の方
- 現場を支える訪問介護士の方
- 訪問介護や介護タクシーの事業を拡大したい方
…などにお読みいただけると幸いです。
ぶら下がり許可とは、既に介護タクシーの許可を得ている介護サービス事業者が、従業員の自家用車を用いて利用者を送迎するために必要な「自家用自動車有償運送事業」の許可の事を言います。
この許可により、一定条件のもとであれば、白色ナンバーの自家用車で1種免許のヘルパーさんでも、利用者さんを送迎できるようになります。
介護タクシーの営業許可に付随する形で許可がみとめられるため、通称「ぶら下がり許可」と言います。
概要やメリットについては、前回の記事にまとめております。
下記アイコンからご覧ください。
なお、このぶらさがり許可により、白色ナンバーで利用者を送迎する車両やその行為を「ヘルパータクシー」と呼ぶことがあります。

事業所が要件を整えたからと言って、従業員とその自家用車であれば許可が下りるわけではありません。
当然ですが、運転者となる従業員には必要な資格があります。
また、自家用車にも必要な設備を設置することが求められます。
運転者になる資格要件は2つ。
運転手としての技能を保証するものと、介護員としての技能を保証するもののそれぞれの資格が必要です。
- 二種免許を取得している
- 一種免許の取得および福祉有償運転者講習の修了
上記のどちらかを満たしている必要があります。
また、過去2年間の無事故無違反であり、免停処分を受けていないことが前提条件です。
一種免許のみの方は、追加で「福祉有償運送運転者講習」を終了する必要があります。
こちらの講習は15000~20000円程度の費用がかかります。
しかし、1日で修了することが出来るものなので、ハードルは低いでしょう。
また、講習は地域によって月1回程度行われています。
ですが、類似する研修が他にもあります。
「自家用車有償運送に有効な修了証」なのかを、しっかりと確認してから受講しましょう。

- 介護福祉士
- 訪問介護員
- 居宅介護従事者
介護員の資格についても、いづれかを満たしている必要があります。
最も基礎となる「介護職員初任者研修」を終了していれば、訪問介護員の資格として認められますので問題ありません。
さらには、看護師や准看護師、保健師の方も初任者研修を修了した者とみなされます。
また、各都道府県の判断で「看護師等の資格証」をもって代替できることとされています。
自身の有している資格が代替できるものなのか確かめたい方は、お住いの都道府県に確認してみましょう。
車両に必要となる設備は3つ…「任意保険」と「車外表示」と「車内表示」です。
それぞれを見ていきましょう。
任意保険 | 対人8000万 対物2000万 |
車外表示 | 会社の名称、屋号、ロゴ 「有償運送車両」「78条許可車両」の文字(5cm以上) |
車内表示 | 運賃料金 運転者証 |
タクシーメーターは必要なく、ケアプラン内の輸送の距離は車載のトリップメーターで測定します。
運輸局は、ぶら下がり許可を認めるには、下記のような基準を設けています。
- 輸送の安全を確保する措置を行なうこと
- ケアプランに基づく輸送であること
- 訪問介護員等が2種免許を取得していること※
- 乗車定員11名未満の乗用車であること
- 任意保険に加入していること
- 車外に適切な表示を行なうこと
- 車内に適切な表示を行なうこと
- 欠格事由に該当しないこと
- 営業所において運送の引き受けを行なうこと
- 旅客に適切な告知を行なうこと
なお、これらの基準は介護タクシーの運行体制に組み込むことで、ほぼ満たされます。
その証拠に、運転者としての資格や車両の必要設備なども含まれていますね。
そのため、日々の運行体制をしっかりと守っていれば、難しく考える必要はありません。
ひとつひとつ確認していきましょう。

こちらは介護タクシーの開業許可申請時に提出していた「運行管理者」などの役割のことを指しています。
- 運行管理者
- 整備管理者
- 指導主任者
- 苦情処理係
これらの措置を既に講じています。
この体制の中に、運転者になるヘルパーさんを組み込むだけでOKです。
なお5台以上になると、運行管理者は国家資格を持った人を選任しなければならないことに注意しましょう。
前記事で解説したとおり、ヘルパータクシーはあくまで「ケアプランに基づいている」必要があります。
そのため、誰でもどこにでも運べるわけではありません。
前述の通り、2種免許でなくても「1種免許+福祉有償運転者講習の修了」でも問題ありません。
また、訪問介護員などに該当するための介護系の資格が必要です。
これも前項の通りですね。
定員が多いバスや貨物自動車、トラックは認められていません。
あくまで「乗用車」でなければなりません。
現状は10人乗りのハイエースが最大になります。
ただし、貨物指定されたハイエースは認められませんので注意しましょう。
最低「対人8000万、対物2000万」以上の保証が必要となります。
ちなみに、これは介護タクシーと同じ額です。
ですが、ほとんどの事業者は対人対物無制限に加入しているでしょう。

会社名や屋号・ロゴの表示の他、「有償運送車両」と「78条許可車両」の文字が必要です。
文字に関しては5cm以上の大きさで記さねばなりません。
またステッカーやペンキ、マグネットシートなどで、見やすく剥がれにくい表示が必要となります。
そのうち、マグネットシートに関しては管轄運輸局の判断によります。
事前に確認しておきましょう。
利用者に見やすい位置に「料金表示」と「運転者証」を車内に掲示しましょう。
運転者に加えたいヘルパーさんが、欠格事由に該当していてはいけません。
主な欠格事由は…
- 悪質な違反をしたことがある
- 大事故を起こしたことがある
- 白タクで捕まったことがある
…などになります。
事前にヘルパーさんにしっかりと聞き取りしておきましょう。
要は事前の予約制…介護タクシーと一緒です。
つまり、道端で手をあげたお客さんを拾うわけではない、ということになります。
ヘルパータクシーに利用者を乗せるには、下記の告知をしておく必要があります。
- 訪問介護事業者等と要介護者等の運送契約であること
- 運送責任は訪問介護事業者等が負うこと
- 自家用車による有償運送であること

- 許可は事業所ではなく車両に下りる
- 使用方法が限定的でも、営業車の台数に含まれる
- 2年間の有効期間がある
ぶら下がり許可は事業所ではなく、車両に下りるものになります。
つまり、許可が下りた車両の従業員が辞めたら、許可車両もなくなってしまいます。
また、ぶらさがり許可はケアプランに基づいた輸送しかできません。
つまり、使用方法が限定されているわけです。
しかし、これも営業車として、まるまる1台と数えられます。
すでに5台以上で運用している事業所には関係ありません。
ですが、台数ギリギリでヤリクリしようと考えている事業者は注意が必要です。
また頑張って取ったぶら下がり許可も2年間の有効期限があります。
期限が切れる前に更新が必要となりますので、忘れないようにしましょう。
いかがでしたか?
今回は「ぶら下がり許可」の人員や車両、許可基準について解説しました。
ほとんどは介護タクシーの営業許可がとれていればクリアできます。
しかし、運転手となるヘルパーさんの資格や欠格事由についてはそうもいきません。
事前の資格取得や聞き取りは、しっかり行っておきましょう。

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