「介護タクシーなら、自宅でも始められるって聞いたんだけど…」
「予算内で車を停めることが出来る貸事務所を探すのは大変だなぁ。」
新規で介護タクシー開業を目指すなら、営業所を構える必要が出てきます。
そんな時、まず思いつくのが持ち家やアパートでの「自宅開業」ですね。
持ち家を営業所として使うことが出来れば、貸事務所などを探す必要もありませんし、賃貸料金も削減できます。
ですが、そのためには一定の基準を満たす必要があります。
今回は介護タクシーの自宅開業について、自宅を営業所として使用するための要件とそのメリットやデメリットについて解説したいと思います。
この記事は…
- 自宅で介護タクシーを開業しようと考えている方
- 介護タクシーの開業に興味のある方
- セカンドライフに備えて、起業に興味のある方
…などにお読みいただけると幸いです。
自宅開業のメリットを活かして、起業を成功させましょう!!
比較的初期費用が少なく、必要な資格の取得が容易…それが介護タクシーの起業です。
起業に伴い必要となるのが、自分の健康な身体と福祉車両1台、そして営業所と車庫。
ただし、営業所は一定の基準を満たせば自宅を用いることが出来ます。
さらには、アパートやマンションなど持ち家でない場合でも、営業所として使用することが可能。
他にも「休憩所・仮眠施設」や「車庫」などの施設も、自宅に設定することが出来ます。
実際に、それらを自宅に設定し、介護タクシーを営業している方は沢山いらっしゃいます。
では、どうすれば自宅を営業所として認めてもらえるのか?
その要件を次項から確認していきましょう。

介護タクシーの営業所には、「最低〇㎡以上」といった面積の要件はありません。
とはいえ、事務処理や運営管理を行える適切な広さは必要です。
ですので、デスクやパソコン、電話やファックスなどの事務用品や備品を設置したうえで、勤務人数が問題なく働けるスペースが確保できれば問題ありません。
具体的には、事業所の人数が1~2名なら4~6畳の部屋が必要となります。
そして、本題の自宅開業の要件は以下になります。
- 営業するエリアに自宅があること
- 営業スペースと居住スペースが分かれていること
- 休憩所の設置が必要
- 賃貸やマンションの場合は貸主や管理者からの許可が必要
※車庫について
以上の要件を満たすことで営業所として、営業許可申請書に記載することが出来ます。
営業許可をもらうには、営業エリアに自宅が無ければいけません。
介護タクシーは都道府県単位が営業区域となっています。
そのため、自宅を営業所にしたい場合は、お住いの都道府県で営業することになります。
ですが「県境に住まいがあるけど、隣県に送迎は出来ないの?」と聞かれるとそうでもありません。
ただし、出発地もしくは到着地が営業エリアである必要があります。
つまり、「自県出発→他県到着」「他県出発→自県到着」はOK。
「他県出発→他県到着」は出来ないので注意してください。
自宅を営業所に設定する場合、営業スペースと居住スペースを分ける必要があります。
どの程度分ければよいかというと、「玄関から居住スペースを通ることなく、営業スペースに行ける」ことが目安になります。
「営業スペースに行くのに、リビングを通らなければならない」といった場合は、基本✖。
その場合は、「玄関脇の部屋」や「勝手口のある部屋」などを営業スペースに指定しましょう。
また、リビングが広いからと言って、その一部を営業スペースとして使用することは出来ません。
個室にするなど、完全に区切る必要があります。
そのため、アパートなどで1ルームの賃貸物件では許可は下りない、と考えた方が良いでしょう。

営業所とするには、休憩所や仮眠施設のような、従業員が休めるスペースも必要となります。
ですが、営業スペースと完全に区切る必要はありません。
営業スペースの一角にソファーを置きパーテーションで区切るなど、個室でなくてもOKです。
ただし、休憩所とするためには「営業スペースが見えないレベル」で区切られている必要があります。
そのためパーテーションで区切るなら、最低180cm以上のものを用意しましょう。
前述の通り、持ち家だけでなく、アパートやマンションも営業所として設定することが出来ます。
ただし賃貸の場合は、貸主から介護タクシーの営業所として設定する旨の許可が必要です。
具体的には…
- 「運送業の営業所として使用する」と賃貸借契約書に記載してある
- 別途「運送業の営業所として使用する」旨の承諾書を書いてもらう
このような契約書もしくは許諾書が無いと、運輸局の許可が下りません。
貸主としても、もともと住居として貸し出しています。
それを事業所として使用されては、トラブルの元になります。
さらには契約以外の用途になるため、住居契約を解除される可能性もあります。
どうしても使用許諾書がもらえない場合は、引っ越しも視野に入れる必要もあるでしょう。
分譲マンションなどでも、規約によって事業として使用することを禁じている場合があります。
その場合も許諾が必要になりますので、事前にマンションの管理者や管理組合に確認しておきましょう。
許諾さえ得られれば、運送業法上は使用することに問題はありません。
車庫についても「営業所」や「休憩所」と同様に、自宅の敷地に設定できます。
基本的には、自宅に併設されている車庫でOK。
しかも「車庫」という呼び方ですが、青空駐車場でも構いません。
ただし、車庫にも満たすべき幾つかの要件があります。
要件に満たない場合、車庫だけ別の敷地に借りることも問題ありません。
車庫については、別の記事で紹介したいと思います。

実際に自宅で開業する場合は、メリットとデメリットをしっかり把握してから決めましょう。
なぜならメリット・デメリットの軽重は人それぞれ。
自身にとって、経費削減以上のデメリットを感じるようなら、無理に自宅で開業する必要はありません。
- 初期コスト・ランニングコストの削減
- 通勤の手間が無くなる
- 営業時間外の送迎が可能
いくら介護タクシーが比較的起業に費用がかからないといっても、削れるものは削りたいですよね。
その点、自宅開業は初期コストを大幅に削減できます。
自宅を用いることで、土地や建物の購入代金がかかりませんし、貸事務所を借りる場合でも「礼金」や「敷金」などの初期費用を抑えることが出来ます。
さらには月々のランニングコストも大きく削減できるでしょう。
事務所を借りれば家賃や駐車場代が掛かりますし、その分の光熱水費も掛かります。
しかし、自宅なら家賃や駐車場代はかかりませんし、無駄に光熱水費を支払わずに済みます。
また自宅を営業所に設定すると、営業所で使用している部分を案分して、固定資産税を経費として計上することが可能です。

自宅兼営業所になるわけですから、通勤する必要が無くなります。
これにより煩わしい朝の通勤ラッシュからもおさらばですね。
その分、時間を有意義に使えます。
就業時間を早めてよし、朝の時間を優雅に過ごすもよし!
車庫併設されていれば、いつでもタクシー車両がそばにあります。
そのため、営業時間外に突発の依頼が来ても、即座に対応できます。
例えば、夜間の救急外来からの帰宅や休日のイベント送迎。
深夜割増料金や時間貸し切りなどを設けることで、効率よく収益を上げることが出来るでしょう。
事業を興して間もない時は、経営も安定しません。
このような依頼を丁寧に拾っていく事で、売り上げになりますし、リピーター獲得にも繋がります。
- 公に自宅住所が知られてしまう
- 人を雇いづらい
- 近所トラブル
最大のデメリットとなるのは、どうしても公に住所が知られてしまうこと。
事業の為には仕方ないとはいえ、みずから自宅住所を広報しているようなものです。
特に女性事業者は要注意ですので、よく検討しましょう。

自宅で介護タクシーを開業するのは、個人や家族で事業を行う分には問題になりません。
しかし、人を雇いづらい側面があります。
どうしても、自宅に家族以外の人間が出入りする場面が多くなりますからね。
家族の理解が必要ですし、従業員側も入りづらいと思います。
したがって、事業拡大時には貸事務所へ移る必要があるかもしれないことを覚えておきましょう。
住宅街の一角や分譲マンションなどで、営業所を構えているとどうしても目立ちます。
そのような環境では、自身の行動に問題が無くても、厳しい目で見てくる人は一定の割合でいるものです。
礼節やマナーにも気を配りましょう。
敷地外にはみ出しての車両整備や町内会への不参加など、思わぬ行動がご近所トラブルを招きかねません。
いかがでしたか?
介護タクシーの自宅開業は、要件が難しいわけではありません。
また、コストの面から見てもメリットは大きく、開業へのハードルを大幅に下げてくれるでしょう。
しかし、住所が公になるなど、一定のデメリットは存在します。
そのため、ご家族とよく相談して決めることをお勧めします。
この記事があなたの一助となれば幸いです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。