【事業拡大】介護タクシー+救援事業でトータルサポート

支援事業でトータルサポート

タクシー事業者や起業を志している方で、「救援事業」という単語を聞いたことはありませんか?

もちろんタクシー事業者の中には、福祉タクシーや介護タクシーの事業者も含みますよ。

あまり知られていない「救援事業」ですが、この事業があなたの事業を大きくするきっかけになるかもしれません。

というのも知名度が低いために、行っている事業者が少ない…

つまりあなたの地域で、先行者利益を独占できる可能性を秘めている事業ということになります。

そんな「救援事業」ですが、簡単に言えば高齢者などの生活を支援する「便利屋」のような事業です。

これがどう介護タクシーの事業拡大につながるのでしょうか?

そこで今回は、介護タクシーの事業拡大の一手となりえる「救援事業」について解説していこうと思います。

この記事は…

  • 事業拡大を模索しているタクシー事業者
  • 介護タクシーの開業希望者
  • 第二の人生の生き方を模索している方

…などにお読みいただけると幸いです。

救援事業について

救援事業とは、介護タクシーを含むタクシー事業者が、移動手段以外のサービスとして、高齢者や身体の不自由な方に生活を支援するサービスのことを指します。

例えば、病院の受付や買い物の代行、家の電球の交換などがその業務内容です。

ともすれば、便利屋さんのような仕事も多いことから「便利屋タクシー」と呼ばれることもあります。

普通の便利屋さんはその業務を包括的に規定する法律がありません。

それに対し「便利屋タクシー」の救援事業は、国土交通省の通達で事業の法的根拠が示されています。

1 タクシー事業者がタクシーの事業用施設(車両、無線装置等)を使用して、救援事業を
行うことについては、次の条件の下にこれを認めることとする。
(1) 本来のタクシー事業の遂行を妨げるものでないこと。
(2) 救援事業は、タクシー事業ではないが、タクシーの事業用施設を使用して行うもの
であるので、これらの救援事業に使用するタクシー車両、事業運営方法等を記載した
計画書を陸運支局長あて提出すること。
(3) 救援事業の業務遂行のために走行する場合はタクシーメーターを使用しないものと
し、「救援」の表示をすること。
(4) 救援事業の営業区域は、タクシー事業区域を越えるものでないこと。
(5) 救援事業遂行中の走行キロは、タクシー事業の走行キロに含めてはならないこと(区
分して記録すること。)。なお、救援事業に関連して旅客輸送の申込みがあり、これ
に応じて旅客輸送を行った場合には、通常のタクシー事業における実車として取り扱
うものとすること。
(6) 救援事業の会計処理はタクシー事業とは明確な区分経理を行うこと。
① 救援事業の収入は、タクシー事業の運賃・料金収入等とは明確に区分して処理す
ること。
② 救援事業に関連する人件費、車両運行費、減価償却費等の共通経費は、原則とし
て所要時間比率で配分すること。
この場合の所要時間比率の算定のため、救援事業遂行中の時間をタクシー事業遂
行中の時間と区別して記録しておくものとすること。
③ 資産・負債等についても同様とすること。
(7) 当該事業の営業実績を記載した報告書等を定期的に陸運支局長あて提出すること。
(8) 救援事業の料金は、タクシー運賃・料金とは無関係とすること。
(9) タクシー利用者の利便に影響を及ぼす程救援事業のウエイトが大きくなってきた場
合は、当該事業専用の施設を設備すること。
2 救援事業の業務遂行のために走行する場合に掲出する「救援」の表示板は、各運輸局
におけるハイヤー・タクシー車両の表示等に関する取扱い通達等において、車内の表示
事項に「救援」の項目を追加すること等により措置すること。

国土交通省通達 国自旅306号より抜粋

これをどう事業に活かし、利益につなげることが出来るかは事業者のアイデア次第です。

応用範囲が広いため腕の見せ所といえるでしょう。

なお、タクシー事業者が別事業として「救援事業」を登録していれば、同一法人・同一スタッフでサービスを提供することが出来ます。

タクシードライバー

サービス範囲の確認

まずは、実際にどのような内容のサービスが行われているか、確認してみましょう。

救援事業でできること

  • 食品や日用品などの買い物代行
  • 郵便や書類、荷物や宅配物の受け取り、また発送の代行
  • 掃除、ゴミ出し、洗濯、調理などの家事支援
  • 草むしりや水やり等の庭の簡単な手入れ
  • ペットの散歩代行
  • 安否確認、声かけ、話し相手
  • 外出先での付き添い(病院・買い物・役所など)
  • 冠婚葬祭の付き添い
  • 除雪や灯油の配達
  • 家具の移動の手伝い
  • スマホの設定代行
  • 切符やチケットの予約購入代行…などなど

まだありますが、キリがありませんのでこれ以上は割愛。

料金は時間制で30分2000円程度が相場となっているようです。

救援事業でできないこと

できることがあれば、できないことも当然あります。

法令違反に当たる(その恐れがある)やってはいけないことに注意しましょう。

分類禁止内容理由・根拠
運送行為利用者を自家用車・社用車に乗せて送迎する道路運送法違反(有償運送禁止)
不透明な請求運送と支援を混在させた一括料金道路運送法・消費者契約法上の問題
販売行為既に仕入れているものを売る
酒類を売る、食材を調理して売る
無資格販売
医療行為投薬、点滴、血圧測定など医療行為医師法・保健師助産師看護師法違反

救援事業の中では有償による運送は出来ません。

ただし、タクシーの運送事業としてなら利用者を運送できます。(集荷を募って貨物の運送はアウト)

これが通常の便利屋さんには無い大きなメリットです。

しかし「運送」と「支援」を混同させた料金は不透明な請求にあたり法令違反となるため、明確に分けて請求する必要があります。

領収書等で明確に区別しておきましょう。

また、他の許可が必要な事はできません。

当然、販売行為や医療行為もできません。

なお、思いついた事業が、救援事業でできるのか不安な場合は、弊社にお気軽にご連絡ください。

開業支援の一環として相談をお受けすることが可能です。

法令遵守?法令違反?

介護タクシー+救援事業の併用例

ここで一つ介護タクシーと救援事業の併用例を挙げておきましょう。

病院受診サポート(往復+院内付き添い+買い物代行)

サービス内容サービス区分請求区分備考
自宅→病院の移送介護タクシー運賃車いす対応
院内での受付・診察・会計付き添い救援事業サービス料金待機・介助含む
病院→自宅の移送介護タクシー運賃
買い物代行(帰りにスーパー立寄り)救援事業サービス料金

このような流れならば、途切れることなく利用者にトータル的なサポートを提供できます。

事業所視点から見ても、空き時間が生じることがなく、利益に繋がります。

これで「隙間時間に別の送迎を入れて、時間調整が大変!」なんてことにならずに済みます。

ただし前述したとおり、料金はサービス区分ごとに明確に分けなければなりません。

救援事業中は当然、タクシーメーターも止める必要があります。

明確に分けられた領収書を作成しましょう。

これらの注意事項はドライバーに徹底してもらう必要がありますし、救援事業のサービスを不足なく提供できるよう教育が必要となります。

タクシー事業者が救援事業を行うメリット

救援事業を併用することは、介護タクシーの事業者側にも利用者側にも多くのメリットがあります。

救援事業併用のメリット
  1. 売上の増益・安定化と収益の多角化
  2. 顧客満足度の向上
  3. 顧客との関係強化
  4. スタッフのモチベーション向上
  5. 地域包括ケア体制への貢献

1.売上の増益・安定化と収益の多角化

介護タクシーは「送迎依頼の時間が偏る」「待機時間が多い」といった課題があります。
そこで救援事業を並行して行うことで、その空き時間を有効活用し、収益源を増やすことができます。

例えば、午前中は送迎に集中し、空き時間が多い午後には買物代行などの救援事業中心に依頼を受けるなどといった工夫が出来ます。

無理に併用化せずとも、救援事業のみで依頼を受けることで、売り上げの安定化も見込めるでしょう。

また、競合他社も少なく、地域によっては先行者利益を独占できる可能性もあります。

経営の安定化

2.顧客満足度の向上

「移送+生活支援」のサービスを一体的に提供できるため、利用者にとって非常に便利です。
また、利用者本人だけでなく、家族にとっても送迎以外の依頼を頼めるのは嬉しいことです。

介助の負担が減ることによって、家族にとっては時間的にも体力的にも余裕が生まれます。

さらにはケアマネージャーにとっても、移送以外の仕事を任せられるとなれば、使い勝手が良いため「依頼したい介護タクシー事業所」となるでしょう。

3.顧客との関係強化

介護タクシーの利用者は高齢者や要支援者が多く、日常生活の支援もニーズが高い層です。

救援事業の併設は「日常的に頼れる存在」として認知されるでしょう。

また単純に利用者との交流が増え、関係性の強化も図られることになります。

これにより新たな仕事の依頼だけでなく、タクシー事業のリピートも確保できます。

4.スタッフのモチベーション向上

顧客からの満足度、関係性アップの他に、スタッフにも良い影響が期待できます。

救援事業は単なる送迎だけでは終わらずに、トータル的なサポートが可能。

これにより「人の生活を支えている」という達成感が感じやすく、モチベーションの向上につながります。

また業務の幅の広がりが、介助や接遇のスキルの向上にもつながるでしょう。

5.地域包括ケア体制への貢献

行政が推し進めている地域包括ケア体制の構築に、一役買うことが出来ます。

その上「移送+生活支援」を一体的に担える存在として、他の介護タクシー事業者よりも一目置かれることになります。

これにより、地域包括支援センターからの紹介が増えることが期待できます。

事業者的にも「地域密着型企業」「地域貢献企業」としてブランディングが可能となり、差別化を図れます。

結論として、介護タクシー+救援事業の併用は、地域に根差した持続的な経営を実現する優秀なモデル、ということが出来るでしょう。

~最後に~

いかがでしたか?

救援事業を行うには、運輸局に救援事業計画を申請する必要があります。

とはいえ、事業計画の届出用紙の様式は難しいものではなく、営業所名・使用車両数と事業内容と料金額の記載で済みます。

付き添いや買い物代行といったメジャーなサービスであれば、すぐに通るでしょう。

ただし基本的に、計画書に書いた以外の救援事業は認められません。

そのため申請時に色々な内容を盛り込みたくなりますが、注意が必要です。

なぜなら事業者側の労力にも限りがあるため、何でもかんでもは出来ませんし、本来のタクシー事業を妨げるものであってはいけません。

要求度の高いニーズの中で、無理なく提供できるサービスに絞って決めることをお勧めします。

救援事業の家事代行

またビスタサポートでは、介護タクシーの開業支援事業を行っています

  • 介護タクシーを開業したい方
  • 介護・医療スキルを活かして起業を目指したい方
  • 既に介護・看護の事業を行っているが、サイドビジネスも考えている方
  • 第二の人生のため、何かしらのビジネスを検討している方

…などなど、介護タクシーに狙いを定めている方でも、はっきりとしたビジョンが無い方でもOKです。

もちろん介護タクシー事業に興味のわいたケアマネージャーの方も大歓迎!!

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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