訪問介護事業に介護タクシーを併設開業することは、多くのメリットが生じます。
利用者層が同じでニーズも非常に近いしいものがあり、相性がこれほど良い組み合わせもそうありません。
だからと言って、ただ始めても実際にうまくいくとは限りません。
例えば、農作物はどんなに土壌が良くても、生態を理解していなければ、種を植えてもうまく育ちませんよね。
よしんば育ったとしても、計画的に栽培した作物とそうでない作物では、収量には大きな差が出ます。
このことは事業も同じ。
小さく始めて、大きく育てるのが起業の基本です。
つまり事業を成功させるには、うまく育てるための戦略が大事なのです。
既存事業に新規事業を併設するような場合では、どう二つの事業を連携させるかがカギとなるでしょう。
そこで今回は「訪問介護×介護タクシー」の事業モデルが成功するためのコツについて解説したいと思います。
この記事は…
- 介護事業を経営している方
- 既存事業に加えて、新規事業を立ち上げたい方
- 介護タクシーの事業者や開業希望者
…などにお読みいただけると幸いです。
冒頭でも書いた通り、既存事業に新規事業を併設する場合、どう連携させるかが成功のカギになります。
特に訪問介護と介護タクシーのような、相性の良い事業ならなおさらです。
では逆に、連携がうまくいかないケースを考えてみましょう。
その多くは「訪問介護は訪問介護」、「介護タクシーは介護タクシー」と、頭の中で完全に別事業として分けてしまっていることが原因です。
成功している事業者の多くは「利用者の生活を支える“移動+介助”という一つのサービス」として設計しているのです。
相性が良いこの組み合わせを、分けて考える必要などありません。
この大前提を持つことこそ、成功への第一歩。
以下に紹介するすべてのコツに繋がります。
- 現場が迷わないよう「連携ルール」を先に決める
- 訪問介護スタッフを「営業担当」にしない
- 予約・調整は“必ず事務所経由”にする
- 「介護タクシーありき」ではなく「生活動線」で考える
- ケアマネージャーには「便利さ」を強調する
- 訪問介護と介護タクシーの“数字”を見える化する
では、これらのコツについて一つずつ見てきましょう。

介護タクシーを併設したことによる、よくある失敗の一つが「ルールが曖昧」であることです。
例えば「送迎はケースバイケース。」「その時の現場の判断で…。」「忙しければ無償で…。」などというケースです。
これらはいずれも「送迎サービスの提供ルールが曖昧である」ということに起因しています。
その結果、現場が疲弊するばかりで収益にもなりません。
成功するためには「判断基準をルール化」することです。
まずは、外出や通院で移動が必要な時は「介護タクシー」として有償送迎が原則ということを、スタッフにも利用者にも周知しましょう。
そもそも白ナンバーによる施設送迎車では、病院へ送り届けることはできません。
「無償であっても病院への送迎は行ってはいけない」と判例も出ています。
たとえ事情を知らない家族などに送迎を依頼されても、しっかりと有償になることを伝えましょう。
事業として介護タクシーを始め、ルール化もされているのです。
これにより、現場で対応するスタッフの「言いづらさ」や「断りにくさ」も激減することでしょう。
また、よくある失敗パターンが「営業を現場に丸投げ」することです。
ヘルパーさんに「介護タクシーも勧めてね」と、ロクな説明もせずに現場任せにしてはいけません。
なぜならスタッフの本業は介護および送迎。
あたりまえですが、営業は経営側の仕事だからです。
併設開業直後はヘルパーさんと一緒に訪問して、利用者さんに「移動の選択肢の一つ」として説明すると良いでしょう。
この時サービスを「売る」のではなく、あくまで「選択肢の提示」にとどめる感覚が重要。
利用者や家族に不信感を持たれないよう、注意してください。
逆にヘルパーさんが利用者さんから質問された時のために、案内用のチラシや定型トークを用意しておくと良い連携が生まれます。
定型トークとしては「家族の人が難しい時は、うちでも介護タクシーやっているので検討してみてください。」程度で良いでしょう。
スタッフを営業担当にはしませんが、介護タクシーについては理解していてもらうこと大切。
きっと、現場判断に生きる場面が出てくるはずです。

せっかく上手くいっていた連携も、ちょっとしたことで崩れることがあります。
その最たるものが、「現場での予約や調整」です。
主な原因は2つ。
- ヘルパーとドライバーが直接やり取り
- LINEや口頭で調整
大抵このパターンで、ダブルブッキングや勘違いが発生しています。
そのため、窓口は一つに絞りましょう!
予約や調整は必ず事務所で受付してください。
これは訪問介護も介護タクシーも同じです。
これだけで情報は集約され、トラブルの8割がたは防げるでしょう。
もちろんスタッフに周知し、遵守してもうことが重要です。
介護タクシーを利用してもらうには、まず「タクシーを使わせたい」という欲を捨てましょう。
このような下心は利用者や家族に見抜かれ、信頼を損ねるだけです。
重要なのは「この人の生活で移動はどこにあるのか?」という視点です。
どの程度病院に通っているのか?
買物には月何回行っているのか?
外出に対して、家族のサポートはどのくらいあるのか?
このような項目に目を向けて、定期化できる移動を見つけましょう。
例えば「家族が仕事の水曜日の外出なら、ウチで介護タクシー出せますよ。どうしますか?」
という風に、まずは提案だけしてみましょう。

付き合いのあるケアマネージャーには、介護タクシー事業を始めたことを伝えておきましょう。
その上で「便利さ」を強調します。
なぜなら、ケアマネージャーは忙しいのが常態化しています。
そこへ…
- 手配が楽
- 事情説明が不要
- 身体状態を把握している
- 急な変更に対応できる
…といった信用出来て「便利な」事業者があらわれたら、使わないわけがありません。
そして、最後の一押しにこういいましょう。
「送迎も介助も同じ事務所で完結します。」
この一言はケアマネージャーが忙しければ、忙しいだけ響くことでしょう。
介護タクシーを併設してうまくいっている事業所は、その成果を数値で把握しています。
- 訪問介護と介護タクシーの併用率
- 1人あたりの月の送迎回数
- 無償対応が減った件数
このような数値を簡単にでも把握し、成果として記録しています。
事業を進めてきた自身に結果として受け止めるべきものでありますし、そこからさらなる改善点も見えてくるでしょう。
また「感覚」ではなく、「数値」として連携の効果を実感できると、それまで介護タクシーに懐疑的であったスタッフがいたとしても、納得せざるを得ません。
なにより、事業所全体の士気を向上させることが出来るでしょう。

介護タクシーは訪問介護と相性が良いとはいえ、新規事業であるこは変わりありません。
冒頭でも書いた通り、事業は小さく始めて大きく育てるものです。
このことは多くの成功事例でも共通しています。
そのため、介護タクシーを始めるにあたり「最初は1台から」、「特定の曜日・時間帯だけ対応」「まずは既存利用者のみ」といった条件から始めると良いでしょう。
ノウハウがない状態で、最初から「3台体制、全曜日対応」などとうたってしまうと、費用がかさむばかりか連携も取れず、トラブルが続いてしまうでしょう。
最初から大きなリターンを狙ってはいけません。
まずは、小さくスタートしてリスクを抑え、ノウハウを積み重ねましょう。
そして少しづつ対応幅を広げて、大きな成果につなげるのが成功の黄金パターンなのです。
いかがでしたか?
訪問介護に介護タクシーを併設開業して成功するかどうかは、連携の良否にかかっています。
まずは仕組みをシステム化する必要があります。
運用ルールを決め、窓口を一本化し、定型化して小さな成功体験を積み重ねましょう。
その上で上手くいく連携を続けていくことが重要です。
したがって、連携が形骸化するのは避けねばなりません。
形骸化する最大の原因は「結局、どうしたいのかわからない」という状態に陥るからです。
そこを防ぐためにも、経営者は介護タクシーを併設した「方針」を言葉にしてスタッフに伝えましょう。
伝え方はシンプルでも構いません。
「無償対応を減らしたい。」
「移動も含めて、利用者をサポートしたい。」
「スタッフを守るため、新しい事業を始めた。」
このような一言が、スタッフの士気…ひいては連携の良否に関わってくるのです。
この記事があなたの一助となれば幸いです。

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