「ブランディング……差別化…?よくわからん??」
「マーケティングとか広報活動とか…しなきゃいけないのは解かってるんだけど…」
介護タクシーや福祉タクシーを開業したい人の中に、このように感じている人はいないでしょうか?
むしろ開業志望の多くの方が、この問題に直面していると思います。
なぜなら介護タクシー開業志望のメイン層は、50~60代の男性と言われており、SNSなどを用いたデジタルマーケティングなどは苦手な分野でしょう。
しかし、マーケティングにも色々あります。
特に、介護タクシーにおいてリピーターを獲得する要となるブランディングは、デジタル要素が少ない(アナログ要素が多い)分野でもあります。
そこで今回は、「介護タクシーのブランディング(差別化)」について、解説したいと思います。
この記事は…
- 介護(福祉)タクシーや民間救急の開業志望の方
- 介護タクシー開業したての方
- 他社と差別化して、リピーターの獲得を目指している方
…などにお読みいただけると幸いです。
まずは出来るところから、マーケティング活動を行っていきましょう。
もちろんデジタルマーケティングは大事ですので、徐々に学んでいく事も忘れないでくださいね。
ブランディングとは、顧客や社会に自社や自社の商品・サービスを「独自のもの」として、認識してもらい、他社との差別化を目指す活動のことです。
俗にいう「ブランド」とは、この「独自のもの」を指し、決して高級品だからというわけではありません。
そもそも「ブランド」は、放牧していた自分の牛を見分けるための焼き印…「ブランドル(BRANDR)」が語源と言われています。
つまり企業もその商品やサービスも、顧客が良いイメージで簡単に見分けることが出来るような「差別化をすること」を目指すのが「ブランティング」だと言えるでしょう。

ではなぜ、ブランディングをしなければならないのでしょうか?
現代は、さまざまな商品やサービスが溢れかえっています。
なかには多くの類似品や似たようなサービスが存在し、顧客側は何を買えばいいのか判断が付きません。
そこに、他とは違った特色をもった商品があったらどうでしょう?
この特色が顧客の共感を得ることができれば、購買への大きな動機付けとなります。
これは介護タクシーでも同じこと。
「他にはないこのサービスが便利」、「あなたの介護タクシーだから乗りたい」と、利用者に思ってもらう必要があるのです。
ブランディングに成功すれば、利用者は自社のファンとなり、また利用してくれるようになります。
つまりリピーターとなってくれるため、将来にわたり多くの収益が見込めるのです。
ここで「ブランディング」と他のマーケティング用語との違いを整理しておきましょう。
なんとなくでも判っておけば、話題に上った際に齟齬が生じにくくなるでしょう。
- マーケティング~売るための仕組みづくり
- ブランディング~良い商品と思ってもらうための差別化
- プロモーション~商品を顧客に知らせるための手段・方法
個別の説明は以下の通りです。

マーケティングとは「商品やサービスを効果的に売るための仕組みづくり」のことです。
市場を調査して、ニーズに合った商品・サービスを開発し、効果的なPRで認知を広めます。
そこで顧客に自然と「買いたい・利用したい」と思わせる…この一連の流れがマーケティングです。
その点でいえば、「ブランディング」もマーケティングの一環といえます。
一方、プロモーションは「顧客に購買を促すための手段」、「新規顧客を獲得するための方法」などになります。
主に用いられる具体的な方法は以下の通りです。
- テレビや雑誌、インターネットなどを媒介とした「広告」
- 販売員が顧客と直接対話する「パーソナルセリング」
- 特典や割引、ポイントなどで、顧客の購買意欲を高める「セールスプロモーション」
「プロモーション」も、マーケティングの中のひとつです。
では、ブランディングの具体的なメリットとデメリット見てみましょう。
- 広告宣伝費の削減
- 信頼性の獲得
- 利益率の向上

商品・サービスを売るためには、顧客に「知ってもらう事」が第一歩目です。
そのためには、新商品の度にWeb広告やテレビCMなどの広告費がかかります。
しかしブランディングに成功していれば、新しい商品を出した時でも企業名などで既に「ブランド」として認知されているので、余計な広告費を使わなくて良くなります。
ブランディングは、信頼性を向上させる効果があります。
なぜなら、それまでの良い企業活動や良質な商品・サービスのイメージは「ブランド名」に上乗せされていくからです。
顧客の「この企業は信頼できる」という印象は、ブランディング施策の積み重ねと言えるでしょう。
そうして得た信頼性は単なる「商品の売上」に留まらず、株式市場や人材獲得、あらたなビジネスチャンスに繋がっていきます。
またブランディングに成功していると、価格競争へ陥らなくても良くなります。
他で差別化できているので「価格」で勝負する必要が無いのです。
多少高くても「信頼のおける○○ブランドだから購入する。」といった顧客も多いのです。
そのため利益率は向上し、その利益から新たな商品を開発するといった好循環が生まれます。
メリットしかないように感じるブランディングにも、デメリットは存在します。
というのも、ブランディング施策を行うにも時間とコストがかかるからです。
効果がみられるまで相応の時間が必要です。
さらにはその効果が、狙い通りのブランドイメージになるかどうかも不確実。
受け取り手である顧客のイメージは、操作しきれるものではないことを理解しておく必要があります。

前半は、ブランディングそのものについて解説してきました。
これまでの内容を下地にして、介護タクシーにおけるブランディングとはどのようなものなのでしょうか?
最も大事なのは「他社との差別化を明確にして、利用者に認知してもらうこと」でしょう。
しかし「送迎でそんなに差別化できるの?」
と、思う方もいると思いますので、差別化できるポイントを挙げていきましょう。
- 通常サービス+独自サービスの提供
- 地域ニーズへの対応サービス
- 利用者に寄り添ったマーケティング
- 予約方法の利便化
- 判りやすい利用料金
なんと言っても、ブランディングする一番の方法は独自のサービスを提供することです。
ここでいう独自のサービスとは「営業地域内で他社が力を入れていないサービス」のことを指します。
例えば、介護保険と連動していない福祉タクシーばかりの地域なら、「介護保険タクシー」を開業するだけで立派な独自サービスになります。
このような、独自サービスになり得る候補をあげていきましょう。
- 介護保険と連動した料金体系の「介護保険タクシー」
- 訪問介護事業と連動した乗降介助以外の「在宅介護サービス」
- 買物、観光への「付き添い」
- 2階以上の場所からの送迎を行う「搬送サービス」
- 病院内での手続きや診断結果を家族に伝える「院内介助」
- 送迎時の健康を記録保存する「健康チェック」
- 他社よりスゴイ「車両装備の充実」
- 利用者に寄り添った「接客」
ポイントとなり得るのは「営業地域内で手薄なサービス」です。
ただでさえ足りていない介護タクシー。
独自サービスには必ず求める人がいると心得ましょう。

地域ニーズへ対応して、差別化を図る事も可能です。
例えば、介護施設送迎車の車検などに合わせて、送迎を優先して受け付けると良いでしょう。
また障がい者施設などと連携して、遠足や外出イベントに協力するのも好評です。
地域の医療機関、介護施設、障害者施設などに営業をかけてみましょう。
イベント時だけの収益が目的ではありません。
このような地域住人の企画やイベントに協力参加すると、新規利用者獲得への足掛かりになります。
自己の考えに固執することなく、利用者に寄り添うことも重要です。
例えば介護タクシーの送迎時の利用者の様子や体験談を、SNSやHPなどで公開するのも良いでしょう。
もちろん、了承の得られた利用者さんだけにしてくださいね。
利用している人の生の声は、自社のサービスをまさに客観的に伝えてくれます。
これらのような体験談をみて利用を決めてくれるお客さんもいます。
また、独自のサービスに悩んでいる場合は、アンケートを実施しても良いでしょう。
良かった点、悪かった点などをあげてもらう事によって、サービスの改善に役立てることが出来ます。
介護タクシーの予約方法は、ほとんどがいまだに電話です。
オンラインでの受付をしている事業者は稀。
そのなかで、アプリ予約などが出来れば、一気に差別化を図れるでしょう。
アプリによる車両位置や到着予定時刻の確認ができれば、便利さは段違いです。
ただし利用者側がスマホ対応に慣れていない場合も多いため、現状で事業所側が無理して対応する必要はありません。

一般タクシーと違って、介護タクシーの料金形態は「運賃」のみという事はありません。
そのため利用者には、解りにくいという思いがあります。
だからこそ解りやすく料金を明示することは、利用者にとって安心材料になります。
意外に明示していない事業者がを多いため、料金の明示・目安金額を提示するだけでも独自性を出すことが出来ます。
丁寧な説明はリピートへの第一歩です。
サービス内容と共に、HPやパンフレットに記載すると良いでしょう。
いかがでしたか?
介護タクシーの「利用者を送迎する」といった仕事の中にも、色々な差別化できるポイントがあることがわかって頂けたかと思います。
アプリの活用などは難しいにしても、ブログ・ホームページの活用はそう難しい事ではありません。
なんなら外注でHPを作成してもらい、月々の更新は体験談やお知らせだけでも良いのです。
最も重要なのは、通常のサービスに加えて、独自サービスを提供すること。
自社をブランディングして、利用者さんに「○○さんの介護タクシーだから、いつも頼んでるんだぁ。」と言っていただけるようなサービスを提供したいですね。
この記事があなたの一助となれば幸いです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。