福祉タクシーを始めてみたい方が、まず心配になるのが、「儲かるのか?」という事だと思います。
身も蓋もありませんが、誰しも失敗はしたくないので、当然の心配だと言えるでしょう。
結論から言えば、福祉タクシーは安定した利益が出やすい事業です。
なぜなら、需要が高く競合も少ないため、丁寧な接客と適切なマーケティングが出来れいれば安定した収入が望めます。
しかし、事業に絶対はありません。
事実、この業界に参入して1~2年ほどで辞めてしまう事業者もいますからね。
そこで重要になるのが「リスクを抑える」ことです。
ビジネスは「小さく始めて、大きく育てる」のが基本。
つまり、福祉タクシーでいえば「軽自動車ではじめよう」ということ。
しかし…「軽自動車でタクシー業って…お客さんがつくかな?儲かるかな?」と心配になる方もいるかもしれません。
そこで今回は、福祉タクシーを軽自動車で始めるメリットとデメリットを紹介したいと思います。
この記事は…
- 福祉タクシーや介護タクシーを始めてみたい方
- 開業志望で、軽自動車にするかどうか悩んでいる方
- 第二の人生の身の振り方を考えている方
…などにお読みいただけると幸いです。
意識したことはないでしょうが、街中で軽自動車の一般タクシーを見たことは、ほぼ無いと思います。
一般タクシーでは、軽自動車は国の安全基準をクリアできないため、一般的な乗り合いタクシーの車両として認められていません。
そのような現状の中、軽自動車の使用が認められている場合もあります。
ひとつは「電気自動車」を使用する場合。
もうひとつが「福祉タクシー(介護タクシー)」を行う場合です。
つまり福祉タクシーは、軽自動車を用いることができる数少ないタクシー業だといえます。
これは開業志望者にとって、有望な選択肢が増えていることを意味しています。
では、有望な選択肢である軽自動車を福祉タクシーで使用するメリットを見ていきましょう。
ただし、軽自動車には様々なメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。
そちらも漏らさずに紹介します。

- 初期費用が安い
- ランニングコストが安い
- 小回りが効く
- 軽自動車でも普通車と同額料金
軽自動車のメリットは、なんと言っても「安い」こと。
価格高騰が叫ばれている軽自動車ですが、それはミニバンやハイエースでも同じことです。
価格差は如何ともしがたいものがあります。
さらにいえば、中古車市場でも価格差は歴然としています。
福祉車両の軽自動車が50~150万のところを、ハイエースなどは300万円ほどかかります。
つまり単純に1/2以下の費用で済みます。
開業時には他にも色々な費用がかかりますから、削れるとことは削っておくに越したことはありません。
初期費用だけでなく、軽自動車ならランニングコストも安く済みます。
まずは税金関係。
自動車税や自動車重量税が安くなります。
これに車検証に「車いす移動車」と記載…つまり福祉車両であれば、さらに安くなります。
次に保険関係です。
任意保険はミニバンやハイエースに比べて、どの保険会社も保険額を安く設定しています。
なぜなら、事故発生時の被害金額が低いためです。
これは自賠責でも同じです。
例えば、軽自動車の自賠責の年間経費が1万円強なのに対し、ミニバンやハイエースは6万円強かかります。
また、法定点検や車検に関しても、軽自動車は基本料金が安く設定されています。
そしてガソリン代です。
軽自動車はエンジンの出力は弱いですが、その分以上に車体が軽いため、結果として燃費が良くなります。
燃費の良さはガソリン代に直結します。
例えば、ハイエースで年間20万円のガソリン代がかかるとすれば、軽自動車なら半額の10万円で済むことになるでしょう。
このように、様々なランニングコストが安くなります。
低コストは長期的な運営に役立ち、低額の初期費用とともに、リスクを最小限に抑えることが出来ます。
- 税金関係
- 保険関係
- 点検・車検
- ガソリン代

運転する上での利点は小回りが効くことです。
つまり、小道や路地などの狭い道に入って行きやすいのです。
これがストレッチャー対応できる大型車だと、そう簡単にはいきません。
擦ってしまったり脱輪してしまうと、修理費や救助費がかかりますし、なにより利用者さんに迷惑を掛けかねません。
福祉車両は車イスやストレッチャーを収容する必要性から、大きな車両になりがちです。
そのなかで、狭あい道路を出入りできることは、大きなアドバンテージとなり得ます。
タクシー運賃の料金体系は運輸局が決めています。
しかし、タクシーに軽自動車の使用は許可されていないため、軽自動車用の料金体系が存在しません。
つまり福祉タクシーで軽自動車を使用していても、普通車両と同じだけ料金がもらえるという事になります。
コストを抑えながら、普通車と同等料金がもらえるのは大きなメリットです。
ですが、価格を下げることで集客したい方にとっては、デメリットにもなり得ます。
しかし、福祉タクシー事業で価格を下げることは、お勧めできません。
一日の送迎回数に限度がある福祉タクシーは、薄利多売モデルとは相性が悪いのです。
事実、集客のために価格を下げた事業者が、経営困難に陥るケースも多く見受けられます。

- 普通車より乗り心地が劣る
- 同乗できる人数が少ない
- ストレッチャー対応が出来ない
軽自動車で車イスのまま乗車できるのは、いわゆる「軽バン」と呼ばれる車種になります。
もとは貨物用に開発された車両ですので、乗り心地は正直良くはありません。
箱型のため風の影響を受けやすく、重量が軽くサスペンションも弱いため、段差や振動が響きます。
また車外音のデッドニングも甘いです。
利用者の快適さを第一優先にするなら、軽自動車は避けた方が良いでしょう。
特に自身の体勢を支えることが困難な方にとっては、負担が大きいと言えます。
用途に関係なく、軽自動車であれば定員は4人です。
運転手と利用者で2名分の枠を使います。
つまり、同乗者は1~2名ほどしか乗せることが出来ません。
通常の通院であれば、問題はないと思います。
しかし、同乗者が多い旅行やイベントへの参加が目的であれば、軽自動車は向いていません。
また車種によっては、車イスの方が乗る後部座席のスペースに、同乗者用のシートが無い場合も多いです。
つまり、同乗者が利用者に寄り添いながら乗ることが出来ないのです。

軽自動車なのでストレッチャーは乗せられません。
リクライニング車イスも、フルフラットには出来ません。
ストレッチャーやリクライニング車イスはレンタル料を頂くことが出来るため、増益にも繋がります。
そのため、ストレッチャー対応が出来ないという事は、事業者として大きな機会損失だと捉えることが出来ます。
前項で述べた通り、福祉タクシーに軽自動車を用いることは、様々なメリットとデメリットが存在します。
それらを踏まえた上で、軽自動車で開業する方が多いのが現状です。
事業を「まずは小さく始めてみよう」と考えるからでしょう。
単純に「自己資金だけで、開業するには軽しか選択肢が無かった…」という方も多いと思います。
逆に言うと、ミニバンやハイエースの福祉タクシーが少ないため、「ストレッチャー対応できる」という事が、ひとつの集客ポイントとなっています。
そのため、事業拡大時にはストレッチャー対応の普通車を増台すると良いでしょう。
特に、介護施設払い下げの福祉車両ハイエースは、狙いどころです。
いかがでしたか?
福祉タクシーや介護タクシーは軽自動車でも開業でき、初期費用や維持費も安く済みます。
ただし乗り心地は良くなく、より利用者に配慮した運転が求められるでしょう。
現状は軽自動車での開業が多数派であり、車イスのみで営業すると割り切る必要があります。
ゆくゆくは収益アップのため、ストレッチャー対応の普通車の増車を目指しましょう。
なお、地域の実情によって、ベストな車両は異なります。
顧客層の特徴や営業地域の地理、病院や介護施設の数や種類によって左右されます。
車両選びに迷った時はビスタサポートへご相談ください。
弊社は福祉タクシーや介護タクシー、民間救急に関する相談を随時受け付けております。
この記事があなたの一助となれば幸いです。

またビスタサポートでは、介護タクシーの開業支援事業を行っています。
- 介護タクシーを開業したい方
- 介護・医療スキルを活かして起業を目指したい方
- 既に介護・看護の事業を行っているが、サイドビジネスも考えている方
- 第二の人生のため、何かしらのビジネスを検討している方
…などなど、介護タクシーに狙いを定めている方でも、はっきりとしたビジョンが無い方でもOKです。
まずは、下記のページから弊社ビスタサポートに無料資料請求してみましょう。
あなたのお悩み、ビスタがしっかりサポートさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。