【介護タクシー開業】都市部と地方の違いと成功ポイント

介護タクシーは、高齢化が進む日本において今後も需要が拡大していく分野の一つです。

高齢化により顧客層は増え続けますが、介護タクシーの事業者は現段階ですら全く足りていません。

そんな成長分野の介護タクシー業界でも、経営に失敗し廃業する方も少なからず存在します。

廃業に至るには、それぞれ色々な理由があると思います。

その理由のひとつが「都市部と地方の違い」です。

たしかに、同じ「介護タクシー開業」ではありますが、都市部と地方では事業環境も成功の考え方も大きく異なるのです。

そのため、その違いを理解せずに開業してしまうと、「思ったより稼げない。」「集客がうまくいかない。」といった失敗につながってしまうのです。

そこで今回は、介護タクシー開業における都市部と地方の違いを軸に、それぞれの成功ポイントを交えながら実践的に解説したいと思います。

この記事は…

  • 介護タクシーの開業を考えている方
  • 売り上げがなかなか伸びない介護タクシー事業者
  • 何かしらの事業を立ち上げたい方

…などにお読みいただけると幸いです。

介護タクシー開業の基本をおさらい

介護タクシーとは、要介護者や身体の不自由な方を対象に、通院・入退院・外出などを支援する移送サービスです。

そのため、一般のタクシーとは異なり、福祉車両を使用し乗降介助や付き添いを行う点が特徴です。

介護タクシーの開業には以下のような準備が必要になります。

  • 一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送限定)の許可
  • 福祉車両の用意(車いす対応・ストレッチャー対応など)
  • 介護職員初任者研修などの資格(必須ではないが有利)
  • 保険加入、運賃設定、営業エリアの検討

これらの基本条件は全国共通です。

しかし、実際の運営の難易度や収益構造は都市部と地方で大きく変わることを理解しておきましょう。

前述したように、そこを理解しておかないと、失敗のリスクが高まります。

都市部における介護タクシー開業の特徴

市場環境(都市部)

都市部は人口が多く、高齢者や医療機関、介護施設が集中しています。

そのため、介護タクシーの需要そのものは非常に多いのが特徴です。

一方で、既に多くの介護タクシー事業者が参入しており、競争が激しい市場でもあります。

したがって「開業すれば自然に仕事が入る」という環境ではないのです。

そこで「選ばれる理由を作れない事業者は埋もれてしまう」のが都市部での、介護タクシー事業者の現実です。

都市部で成功するためのポイント

ここからは、都市部で成功するためのポイントを整理してみたいと思います。

介護タクシーが都市部で失敗しないためのポイントは、以下の通りです。

都市部での成功ポイント
  1. 明確な差別化戦略を持つ
  2. 病院・介護施設・ケアマネージャーとの連携
  3. 回転率と時間管理を意識する

1.明確な差別化戦略を持つ

いくら介護タクシーの台数が不足しているとはいえ、都市部では地域の需要を満たしていることもあります。

そんな都市部で最も重要なのは「差別化(ブランディング)」です。

ちなみに差別化(ブランディング)とは、多くの介護タクシー事業者の中から選んでもらえるよう、独自のサービスや車両・装備などで特色を出し、同業他社と違いを図る行為です。

介護タクシーで差別化を行うには、以下のような例があります。

介護タクシーのブランディング例
  • 車いす2台対応、ストレッチャー対応
  • 看護師・救急救命士・ヘルパー資格保有
  • 透析・リハビリ・精神科など特定分野に特化
  • 夜間・早朝・緊急対応が可能

最もオーソドックスだけど、差別化が容易なのは「ストレッチャー対応」です。

なぜなら、ハイエースやキャラバンなどの大型車が必要となりますからね。

そのためリスクを抑えたい開業初期には、なかなか手を出しづらく「ストレッチャー対応」ができるだけで差別化が図れるのです。

その他には「資格」で差別化を図る方法もあります。

つまり資格持ちが介護タクシーを開業する場合は、それだけで差別化に役立つので前面に押し出すと良いでしょう。

他にも特定分野に特化する方法や、他の事業者が営業していない時間帯を狙う、などの方法も検討してみましょう。

要は「これならここに頼みたい!」と思われる強みを作り、前面に打ち出す必要があるのです。

2.病院・介護施設・ケアマネージャーとの連携

都市部では人口が多い分、病院や介護施設も多くなります。

そのため、介護タクシーの依頼は個人からの直接依頼よりも、必然的に「紹介」が多くなってしまいます。

その紹介元が「病院の医療連携室」、「介護施設の相談員」「居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)」です。

そのため、まずは料金表や対応範囲を分かりやすくまとめましょう。

その後は営業をかけることになりますが、ガツガツしてはいけません。

あくまで「困ったときにお声がけください。」というスタンスで十分です。

時間をかけて信頼を勝ち取りましょう。

「安心して紹介できる事業者」になることが成功の近道です。

3.回転率と時間管理を意識する

地方と比べると都市部の送迎時間は短いと思われがちです。

ですが、渋滞や駐車問題により、1件あたりの拘束時間が長くなることもままあります。

介護タクシーの売上を向上させるには、件数を増やすほか「回転率」と「時間管理」を意識する必要があります。

例えば、「同エリアの予約をまとめる」ことで、移動にかかる無駄な空車時間を減らし回転率があがります。

また、やむを得ない場合を除き「待機時間」を料金に反映させてもよいでしょう。

さらには安定経営に欠かせない「定期送迎」を確保しつつ、送迎ルートは「定期送迎」をもとに組み立てると無駄が減るでしょう。

以上のような工夫で、1日の稼働効率を最大化することが収益安定につながります

地方における介護タクシー開業の特徴

市場環境(地方)

地方では人口が少なく、介護タクシーの利用者数も都市部ほど多くありません。

しかしその一方で、公共交通が弱く、介護タクシーが生活インフラとして必要不可欠な地域も多く存在します。

そのため競合が少ない地域では、早期に開業することで地域に定着することが重要です。

それさえできれば、長期的に安定した経営が可能になるケースも少なくありません。

地方で成功するためのポイント

都市部と比較し、絶対的に人口が少ない地方で成功するには以下のポイントに注意しましょう。

地方で介護タクシーが成功するポイント
  1. 利用者との信頼関係を最優先する
  2. 地域包括支援センターとの連携
  3. 単価を意識したサービス設計
  4. 介護タクシー+αの発想

1.利用者との信頼関係を最優先する

地方では、1人の利用者が長期間にわたって利用してくれることが多くなります。

逆に言えば、利用者数が都市部より少ない地方では、長期にわたって利用してもらう必要があります。

新規の少ない地方は、そうでなければ安定的な経営はできません。

そのためにも「利用者との信頼関係」は最優先させねばなりません。

たとえば、名前を覚えることは当たり前。

また、利用者の家族構成や生活状況を、理解することにも努めましょう。

そうすることで、会話も生まれ長続きしますし、信頼関係が生まれやすくなります。

そのうえで、小さな気配りを忘れず行いましょう。

こうした積み重ねが、狭く繋がりの強いコミニティーでは口コミや紹介につながります。

ここまでくれば、広告を使わなくても自然と仕事が回ってくる状態となり、経営も安定していることでしょう。

その分、悪評が立つと挽回は大変ですので、注意しましょう。

2.地域包括支援センターとの連携

病院数や施設数が少ない地方では、「地域包括支援センター」や「社会福祉協議会」が情報の中心となります。

特に地域包括支援センターは、その地域の高齢者の相談事を受け付けています。

そのため、自社の介護タクシーをここで認知されることは重要です。

覚えてもらえれば「要介護度が高い利用者」「定期的な移送が必要な方」を、安定的に紹介してもらえる可能性が高まります。

もちろん病院や施設、ケアマネージャーへの顔出しも行いつつ、地域包括支援センターへの営業も行いましょう。

3.単価を意識したサービス設計

地方はどうしても1日の件数が限られます。

そのため売り上げを伸ばすためには「単価」を意識する必要があります。

例えば、長距離通院や市外・県外への搬送。

また、半日・1日の「貸し切り」など、単価の高い仕事を意識的に取り入れることが重要です。

ただし市外・県外搬送のような「長距離送迎」や「貸し切り」などの依頼は、そう頻繁に入るものではありません。

そのチャンスを逃さないよう、アンテナを張っておく必要があります。

たとえば「貸し切り」が必要となる観光案内などは、協会が会員に紹介という形で依頼を流していることも多くあります。

そのため、場合によっては協会に会員登録しておく必要もでてくるでしょう。

また「長距離送迎」の依頼を受けるためには、ホームページへ掲載するなどWebも活用する必要になってきます。

情報の収集と発信を行い、単価を意識して経営を行いましょう。

4.介護タクシー+αの発想

地方では送迎件数に限りがあるのは、前述したとおりです。

そのため「送迎だけ」にこだわるのは悪手です。

「送迎+α」で付加価値をつけ、提供しましょう。

例えば…

  • 外出支援(買い物・墓参り・行事参加)
  • 付き添いサービス
  • 訪問介護

…などなど。

あなたの経営理念が許すなら、地域の困りごとをまとめて引き受ける存在になることを目指しましょう。

そうすれば、地域の人からも愛され、長く介護タクシーを利用してくれるでしょう。

都市部と地方の違いを比較

項目都市部地方
需要非常に多い限定的
競争激しい少ない
収益モデル回転率重視単価・継続性重視
集客紹介・施設連携口コミ・地域密着型
成功要因差別化・効率化信頼・柔軟性
介護タクシーの都市部と地方の違い

~最後に~

いかがでしたか?

介護タクシー開業は、社会的意義が高く、やり方次第で長く続けられる事業です。

しかし、都市部と地方では「正解の形」がまったく異なることを理解しておく必要があります。

  • 都市部では「差別化」と「効率化」
  • 地方では「信頼関係」と「地域密着」

この軸を外さずに事業設計を行えば、開業後の失敗リスクは大きく下げられます。

これから介護タクシーの開業を考えている方は、まず自分が開業したい地域の特性を冷静に分析する必要があります。

その上で、都市部向きの戦略なのか、地方向きの戦略なのかを見極めるところから始めてみてください。

それが、成功への第一歩になるといえるでしょう。

この記事があなたの一助となれば幸いです。

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  • 介護タクシーを開業したい方
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  • 既に介護・看護の事業を行っているが、サイドビジネスも考えている方
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最後までお読みいただきありがとうございました。

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