救急車を呼ばなくていい社会へ-VISTAの挑戦

NIKKEI THE PITCH GROWTH ピッチコンテストへ出場

サイレンの音が鳴り響くたび、感じる疑問…

本当にそれは“救急車でなければならない搬送”なのか――。

高齢化が進む日本では、救急搬送のひっ迫が深刻な社会課題となっている。

その現場を10年間見続けてきた一人の救急救命士が、今は起業家としてマイクを握った。

2025年12月に東京の九段会館で開催された NIKKEI THE PITCH GROWTH 北海道・東北ブロック予選。

登壇したのは、創業3〜4年の若い企業、株式会社ビスタ(VISTA)の代表である戸井田氏だ。

彼は元消防職員。

救急の最前線で10年間戦ってきた救急救命士である。

取り上げたテーマは、力強く、そして挑戦的だった。

救急車を呼ばなくていい社会をつくる

そう宣言し、彼は語りだした。

ピッチコンテストとは、起業家やスタートアップ企業が自社のビジネスアイディアやサービス・製品を審査員に5~10分程度の短時間プレゼンテーションし、その革新性や市場性、実現可能性を競うイベント。

VISTAの挑戦「非緊急搬送インフラ」構築へ

救急現場で見続けた“違和感”

戸井田氏は、10年間の消防勤務の中で多くの命を救ってきた。

だが同時に、ある現実を目の当たりにしてきた。

  • 緊急性の低い搬送
  • 病院間の転院搬送
  • 歩けないが命に別状はない高齢者の移送
  • 行き場のない搬送依頼

本当に救急車が必要な命のために使うべきリソースが、「他に選択肢がない」ために消費されている現実。

この構造的な問題に対し、彼は“外側から変える”ことを選んだ。

それが、介護タクシー事業を軸にした株式会社VISTAの創業である。

介護タクシーから始まった、社会インフラ構想

ビスタは現在、介護タクシー事業を展開している。

しかし、それは単なる移送サービスではない。

今回のピッチで発表されたのは、

  • 介護タクシーの配車アプリ開発
  • 介護タクシー・民間救急の全国ネットワーク化
  • 搬送を一元管理するコールセンター事業

という、搬送インフラの再設計だ。

現在、介護タクシーは地域内で横の繋がりを個別で持っている事業者もいるが、地域外に行くとそれもない。

地域ごとに分断されている状態だ。

そのため“緊急性の低い事案”に対し、利用者も医療機関も「どこに頼めばいいのかわからない」状態となっている。

戸井田氏はそこにテクノロジーとネットワークを組み合わせ、“緊急ではないが必要な搬送”を支える仕組みをつくろうとしている

目指すのは、全国初の「非緊急搬送インフラ」

戸井田氏が描く次のステージは、さらに大きい。

行政と連携し、全国初の「非緊急搬送インフラ」を構築すること。

これは単なる民間サービスの拡大ではない。

  • 救急医療の負担軽減
  • 高齢者の移動格差解消
  • 医療アクセスの最適化
  • 地域包括ケアの強化

以上のような様々な問題を解決しうる力を持っている。

これはもう「社会構造そのものを支える仕組みづくり」といえるだろう。

決して絵空事ではない。

なぜなら、これを見越してか、株式会社VISTAは介護タクシーの他に複数の事業を展開している。

それが全国展開している「オンコール代行」と「介護タクシーの開業支援」だ。

「オンコール代行」事業を通じて、全国の医療従事者や病院・福祉施設とのネットワークづくりを進めている。

それと同時に「介護タクシー開業支援」事業で、インフラ構築時に実際に移送を担う事業者を支援・育成しているのだ。

これはもう創業当時から「非緊急搬送インフラ構築」への大きな構想があったとしか思えない。

彼は本気で社会構造を変えるつもりだ。

決勝には届かず…それでも残した“投資家の評価”

北海道・東北ブロック予選では、決勝進出は叶わなかった。

しかし、ビスタは「SMBCベンチャーキャピタル賞」 を受賞。

これは、投資家視点で

  • 成長可能性
  • 社会的インパクト
  • スケール性
  • 経営者の実行力

これらが高く評価された証である。

今すでに完成された事業ではなく、これから社会を変える可能性を秘めた事業として評価されたのだ。

「高齢者移送」という見えにくい社会課題

救急車の問題はニュースになる。

だが、非緊急搬送の課題は表に出にくい。

歩けない高齢者、
遠方通院を抱える家族、
退院後の移動手段を失う患者。

移動できなければ、医療も福祉も十分に機能はしない

確かに訪問看護も訪問介護もある。

訪問診療だって存在する。

しかし、個人宅では医療でも介護でも十分な資器材はなく、環境は整っていない。

ましてや業界は常に人手不足だ。

そんな状態では、訪問サービスだって、いつまで提供されるか定かではないだろう…

やはり移動は必須なのだ。

そしてビスタは、その“移動の空白地帯”を本気で埋めようとしている

地方から全国へ

創業わずか数年。まだ若い会社だ。

だが、代表の戸井田氏には消防士として命と向き合ってきた10年の経験がある。

机上の理論ではない、現場を知る起業家だ。

北海道・東北予選のステージで語られたビジョンは、単なるビジネスモデルではなかった。

それは、

「本当なら救えたはずの命を守るための、もう一つの選択肢」

という社会への提案だった。

次の挑戦へ

今回の受賞はゴールではない。

むしろ、始まりだ。

非緊急搬送インフラという前例のない挑戦。

行政連携という大きな壁。

全国ネットワーク構築という高いハードル。

それでも戸井田氏は、救急現場で見たあの光景を忘れない。

軽症者搬送の陰で救えなかった命があることを…

救急車を呼ばなくていい社会へ

株式会社VISTAの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

大会概要:「NIKKEI THE PITCH GROWTH」とは

NIKKEI THE PITCH GROWTH は、日本経済新聞社が主催する全国規模のピッチコンテストで、前身の「スタ★アトピッチJapan」からあわせると7回目の開催になります。

コンテストでは、下記の項目を総合的に評価します。

  • 新規事業や次世代リーダーによるビジネスの独自性
  • 成長性・市場性
  • 社会的インパクト
  • 経営者のビジョン

書類審査を経てブロック予選に進出した企業が各地区ごとにプレゼンテーションを行い、勝ち抜いたファイナリスト企業は全国決勝大会へ進出します。(2026年は3月8日に開催)

株式会社VISTA は北海道・東北ブロックにエントリーし、全国決勝の切符こそ逃したものの、「SMBCベンチャーキャピタル賞」を獲得し、高い評価を受けました。

「SMBCベンチャーキャピタル賞」は、出場企業の中でも 投資家視点で高い可能性があると評価された企業に贈られる特別な賞 です

全国の予選参加企業の中から、多くの審査員や投資家に支持され、大きな一歩を刻んだことになります。

~最後に~

いかかでしたか?

今回は「NIKKEI THE PITCH GROWTH 2025-2026」の北海道・東北ブロック予選会に参加した弊社のプレゼン内容をお伝えしました。

なお、予選会は2025年12月9日に東京「九段会館テラス」にて「バーチャルピッチラン」形式で行われました。

公式サイトから予選大会のアーカイブ動画も配信中です。

興味のある方、ぜひ下記リンクからご覧ください。

また、株式会社VISTAは他のピッチコンテストにも、複数エントリー中。

皆様に良い結果をお伝えできるよう努力してまいります!

随時、結果をホームページにてお伝えしていきます。

そして、ビスタサポートでは介護タクシーの開業支援事業を行っております

全国を網羅する「非緊急搬送インフラ」の構築へ、あなたも一役買いませんか?

ともに「救急車を呼ばなくてもいい社会」を作り上げましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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