介護タクシーを開業する重要ポイントとして「車選び」があります。
そして「開業資金」を考えた時、一番費用がかかる項目でもあります。
なんなら「ミニバン乗ってるし、この車で開業出来ないかな?」なんて、考えたことはないでしょうか?
現在、所有している車が「車いす対応の福祉車両」であれば、一番良いのでしょうが、そのような方はめったにいないと思います。
車選びは費用面もさることながら、営業許可の可否にも関わってくる問題。
死活問題と言っても良いでしょう。
そこで今回は、介護タクシーで使用する送迎車について解説していきたいと思います。
この記事は…
- 介護タクシーの開業希望者
- 福祉車両の購入を迷っている方
- 第二の人生の生き方を模索している方
…などにお読みいただけると幸いです。
最初に結論を行ってしまうと、介護タクシーは乗用車でも開業出来ます。
車両に特別な改造などをしなくても、いわゆる普通の乗用車でもOKです。
だたし、乗用車を使用する場合、条件が変わってきますので注意しましょう。

介護タクシーの営業許可をもらうには、車両に関わる要件がいくつか課されています。
それぞれの内容を見ていきましょう。
- 使用権原を有する車両
- 損害賠償能力
- 普通自動車2種免許の取得
- 最低車両数
- 使用車両による条件
まず、送迎に用いる車両の使用権原を有している必要があります。
自身が所有している車であれば問題ありません。
もしくはリースであっても許可がおります。
ただし、リースの場合は契約期間が1年以上であることが求められますので注意しましょう。
使用権原の証明には以下の書類が求められます。
- 購入の場合~購入契約に関する契約書の提示または写しの提出
- リースの場合~リース契約に関する契約書の提示または写しの提出
許可が降りる前に、福祉車両を所有していることは稀でしょうから、基本は許可後の購入になると思います。
そのため、購入希望の車両が他の人に渡ってしまわないよう、仮契約や手付金の支払いをしておきましょう。
「許可が降りた時には、車両が売れてしまい無くなっていた。」
…なんて話もチラホラあります。
許可が降りた後は、すぐに本契約する段取りを確実に付けておいてください。

要は自動車の任意保険に入らなければなりません。
介護タクシーの営業許可には必須…つまり強制です。
補償内容は「対人8000万以上、対物2000万以上」と定められています。
しかし、この基準はあくまで最低限。
ほとんどの事業者は両方を無制限でかけています。
当然と言えば当然ですね。
しっかりとした保証であなたの事業を守りましょう。
運転手に対しても要件があります。
普通自動車2種免許の取得が必要です。
介護タクシーに関わらず、バスや一般タクシーなどお金を貰って、お客さんを運送するには2種免許を有している必要があります。
1営業所に1台以上の台数が必要です。
当たり前ですが、送迎するための車が無ければ、介護タクシーは出来ません。
大抵は1人(地域によっては2人)1台で起業するパターンが多いです。
ちなみに5台以上になると、人的要件が厳しくなる(運行管理者や整備管理者の要選任)ことを、覚えておきましょう。
介護タクシーの使用車両という観点で考えると、車両の種類は下記の2つに大別できます。
- 福祉車両
- それ以外のセダン型など
いずれでも営業許可はおりますが、条件が変わってきます。
次項で詳しく説明します。

条件の前に福祉車両について、簡単に説明します。
福祉車両とは、車イスやストレッチャーの乗降用の設備…スロープやリフトなど特殊な設備を搭載した車両になります。
また、回転シートやリフトアップシートなどで、乗り降りを介助する装置を設けた車両も福祉車両に含まれます。
ちなみに福祉車両は福祉自動車とも呼ばれます。
介護タクシーで使用されるのは、もっぱら前者のスロープやリフトなどの特殊装置を搭載したタイプです。
スロープやリフトのある福祉車両を用いる場合は、追加の条件は課せられません。
介護タクシーに一般車両を用いる時は追加条件を課されます。
それが「介護系資格の取得」です。
というのも、介護タクシーの利用者は車イスを使用している方を前提としているからです。
つまり、一般車両だと利用者を乗降りさせるときに、車イスからの「移乗」を行う必要があります。
そのための技術を有している証明のために「介護系資格」の取得が必要になるのです。
求められる介護系資格は以下の通り。
- 介護福祉士
- 訪問介護員の資格
- 居宅介護従事者の資格
- ケア輸送サービス従事者研修
ちなみに、介護タクシーでは訪問介護員の資格となる「介護職員初任者研修」が人気です。

ほとんどの介護タクシーでは、メリットの大きさから福祉車両を使用しています。
どのようなメリットがあるか見ていきましょう。
- ドライバーの労力削減と利用者の負担軽減
- 税金の優遇
- 駐車禁止除外標章の交付対象
福祉車両にはスロープやリフトが搭載されています。
これらを用いることで、利用者を車イスやストレッチャーに乗せたまま、車両へ収容することが出来ます。
当然効率が良いですし、ドライバーも疲れません。
また、利用者を車イスから車両のシートへ移乗させることは、利用者の身体的負担も大きいものです。
身体の弱った高齢者には体位の変換や姿勢保持が、健常者の考える以上に負担をかける事を覚えておきましょう。
つまり福祉車両の使用は、ドライバーのみならず利用者の負担軽減も考慮した選択だと言えます。
8ナンバーを取得した福祉車両は税金が優遇もしくは減免されます。
「消費税」「自動車税」「自動車取得税」がその対象となります。
介護タクシーに用いるようなスロープやリフトタイプの福祉車両であれば「消費税は非課税」となります。
また、「自動車税」や「自動車取得税」は地方税のくくりとなりますので、各都道府県に詳細が異なる場合がありますので、必ず確認しましょう。
「事業用は対象外だが、個人用は減免対象」、「減免はないが、助成制度はある」などのパターンがあります。
さらには8ナンバーを取得していると、自賠責や任意保険に影響するため、維持費が安くなります。

「車イス移動車」などは、警察に申請することで「駐車禁止除外標章」が発行されます。
これにより駐車禁止区域でも「乗降」のためならば、駐車することが可能です。
介護タクシーで、福祉車両を使用するデメリットはほぼありません。
強いて言えば、一般車両に比べて「燃費が悪い。価格が高い。」といったところでしょうか。
しかしこれらは、メリットを考慮すれば、比較にもならない些細な問題です。
価格差は、疲労軽減による送迎回数の増加で十分以上に元が取れるでしょう。
いかがでしたか?
介護タクシーはいわゆる一般車両であっても、営業許可を取ることは出来ます。
ですが、介護系の資格を取る必要がありますし、そのためには時間と費用が必要です。
それに比べて、福祉車両を使用するメリットは大きいです。
運転手及び利用者双方の身体的負担の軽減や、費用面での優遇など介護タクシーにとって「百益あって一害無し」と言えるでしょう。
費用を惜しんで一般車両を検討するのではなく、リースや資金融資を検討してください。
福祉車両は介護タクシー事業では「投資」であると心得ましょう。
この記事があなたの一助となれば幸いです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。


