介護職の資格-種類とキャリアアップへの道

介護タクシードライバーに必要な二大資格と言えば「普通自動車二種免許」と「介護職員初任者研修」。

普通自動車二種免許は「有償でお客様を乗せて輸送するため、普通自動車を運転できる」ための免許です。

つまり「介護タクシー」の「タクシー」部分のための資格です。

もう一つの「介護職員初任者研修」は「介護」部分のための資格ということになります。

しかし、介護タクシードライバーになるには「介護職員初任者研修」の資格でなくてはならいのか?というとそうでもありません。

なぜなら必要な資格は「介護職員初任者研修と同等以上の資格」とされているからです。

今回は、介護職にはどのようか資格があるのか?また、介護タクシーにはなぜ「介護職員初任者研修」の資格が勧められているのかを紹介します。

この記事は、介護タクシードライバーに興味のある方、介護職の資格に興味のある方、介護業界への転職を考えている方などに読んでいただけると幸いです。

介護業界で働くには資格は必要か?

介護業界では資格がなくても、現場で働くことは可能です。

ただし、資格を有していることによって出来ることが増え、仕事に幅が広がります。

中には訪問ヘルパーや生活相談員のように資格が必須の職種もあります。

そのため、介護業界では何らかの資格を有している方が働くのに有利ですし、給与ベースもアップします。

資格取得

介護業界で仕事を始める方、始めようとしている方には、まずは資格の取得をおススメします。

介護職の資格は種類も多く、どの資格から取得すればよいのか迷う方も多いと思います。

業界で一般的なスキルアップの資格、より専門的な資格と紹介しますので、自分に合った資格を探しましょう。

介護系の資格一覧

介護の資格一覧

主な資格7つ

  1. 介護職員初任者研修
  2. 介護福祉士実務者研修
  3. 介護福祉士
  4. 認定介護福祉士
  5. 喀痰吸引等研修
  6. 介護支援専門員(ケアマネージャー)

認知症に関わる資格

  • 認知症介護基礎研修
  • 認知症介護実践者研修
  • 認知症介護実践リーダー研修
  • 認知症ケア専門士

介護系の専門的な資格

  • 介護事務
  • 介護予防運動指導員
  • 福祉用具専門相談員
  • ガイドヘルパー(移動介護従事者)
  • レクリエーション介護士
  • 福祉住環境コーディネーター

介護職に欠かせない3つの資格

まずは、介護職に欠かせない3つの資格を見ていきましょう。

業界での一般的なキャリアパスへの資格です。

介護職員初任者研修

介護職にっとて入門的な資格であり、取得していると基礎的な知識やスキルを持っていることの証明になります。

この資格を有していることで、利用者の肌に直接触れる身体介護を行なえるようになります。

肌に直接触れる身体介護

また採用に有利なだけでなく、給与が上がったりするため、介護職を目指すのにまず取得しておくべき資格です。

さらに、最短1か月程度で取得できるため、働きながら資格を取る人もいます。

ただし、専門のスクールに通い試験に合格する必要があるため、通える範囲のスクールを探し資料請求するところから始めましょう。

受験資格特になし(どなたでも可)
研修期間約1~4か月(130時間)
費用目安4~10万円
特記専門スクールの受講が必要
介護職員初任者研修

介護福祉士実務者研修

この介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位にあたる研修です。

以前のホームヘルパー1級や介護職員基礎研修に相当する資格ですが、2013年の法改正にあたり、医療的ケアの追加や専門的な研修内容を取り入れて新設されました。

そのためこの資格を有しているだけで、医療的ケアや喀痰吸引などの基本的な知識があるという証明になります。

意外かもしれませんが、初任者研修を終えていなくても資格を取得することが可能です。

この資格で、サービス提供責任者として働くことも出来ます。

また実務者研修は、さらに上位の資格である「介護福祉士」の受験要件にもなっているため、キャリアアップを目指している方には必須の資格と言えます。

研修は450時間(2~6ヶ月程度)とボリュームのある内容となっていますが、スクールに通う他、通信教育なども認められており、自分に合った取得方法を選ぶことができます。

ただし通信教育でも、一部科目ではスクールに通う必要があることを覚えておきましょう。

受験資格特になし(どなたでも可)
研修期間約2~6か月(450時間)
費用目安10~18万
(初任者研修修了の人は8~15万)
特記通信教育でも可
試験無し(スクールにより有り)
介護福祉士実務者研修

介護福祉士

介護職の中で唯一の国家資格である介護福祉士は、業界のキャリアパスでかなり上位の資格になります。

そのため取得難易度は高め。

しかし、資格を取得すると、現場の指導的立場や生活相談員サービス提供責任者になることができます。

介護福祉士の資格

資格取得には次の3つのルートがあります。

  • 実務経験ルート
  • 福祉系高校ルート
  • 養成施設ルート

働きながら資格を取得する「実務経験ルート」では、「実務経験3年以上」と「実務者研修の修了」という2つの受験要件があります。

これらの要件をクリアし国家試験に合格すれば晴れて資格を取得できます。

働きながらの受験のための勉強をこなすことは簡単ではありませんが、通信講座などを利用し自分に合った方法を検討してください。

受験資格実務経験3年以上・実務者研修修了
研修期間養成施設では2年程度
費用目安学校・養成施設では学費100~150万
特記取得には3つのルートがある
介護福祉士

介護福祉士のスキルアップに3つの資格

キャリアアップは介護福祉士の資格を取得して終わりではありません。

さらにキャリアを積んで、活躍の場を広げましょう。

認定介護福祉士

認定介護福祉士は2015年にスタートした民間の資格で、介護福祉士の上位資格に当たります。

多様な利用者の生活の質の向上のため、介護福祉士よりもさらに高い知識とスキルが求められます。

認定には、介護福祉士として5年以上の経験を積み、認定介護福祉士養成研修課程を修了し、認定申請に通過しなければなりません。

資格を取得することで、現場のリーダー・指導者としての能力があると認められるでしょう。

今はまだ発足して間もない資格ですが、有資格者は年々増えてきています。

意味合いから考えても、実務のリーダーとして現場の上司に求められる資格となっていくでしょう。

スキルアップ

喀痰吸引等研修

たんの吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)と経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)といった医療的ケアを行うことが出来るようになります。

すでに実務者研修で基本的な医療的ケアを学んでしますが、実際にできるわけではありません。

喀痰吸引等研修は基本研修と実地研修に分かれていますが、実務者研修を受けていることによって、基本研修が省略されるシステムです。

つまり医療的ケアを実施するためには、実地研修をこなす必要があります

また、医療行為を行う対象者が、特定の人か不特定多数の人かによって研修内容が変わってくるので、自分に合った研修を受けましょう。

介護支援専門員(ケアマネージャー)

一般的に「ケアマネ」という呼び名が広まっている介護支援専門員。

この介護支援専門員は現在の介護系資格の中で、最上位の資格と言えるでしょう。

ただ、ケアマネージャーは介護の実務を行うのが本来の役割ではありません。

介護が必要な方のためにケアプランを作成したり、利用者や家族からの相談に乗ったりと、利用者とその家族の介護に対する支援を行うことが役割です。

さらに、必要があれば関係機関との連絡調整も行います。

ケアマネージャーはその名の通り「介護をマネジメント」しているのです。

ケアマネージャー、利用者と相談

資格取得には年1回の試験に合格する必要があります。

なお、受験資格は「生活相談員等として5年以上の経験」もしくは「国家資格に基づく5年以上の経験」が必要です。

そのうえ、試験は例年10%台の合格率で難易度は高いといえます。

また、合格してからも「介護支援専門員実務研修(研修費用5~6万円)」を受講する必要があります。

介護職のキャリアアップの流れ

介護業界への転職は無資格からでも始められますが、待遇や給与面から考えても資格取得を目指した方が良いでしょう。

下記の図が介護職の一般的なキャリアアップの流れになります。

介護職のキャリアアップへの道

通常は介護職員初任者研修から始めますが、時間的余裕があるなら一つ上の「介護福祉士実務者研修」から始めても良いでしょう。

なお、「喀痰吸引等研修」は所定の研修を終えれば取得できます。

介護福祉士でなくとも良いため、実務者研修を終えた方は先に取得ておいても良いでしょう。

特に要介護度の高い施設に勤める際は、現場で重宝されます。

また、介護福祉士からのキャリアアップは「認定介護福祉士」と「介護支援専門員(ケアマネージャー)」に大別されます。

認定介護福祉士は現場実務のリーダーとして働きます。

一方、ケアマネージャーは介護のマネジメント業が職務になります。

どちらへ進むかは、自分の目指したい方向性に沿って考えると良いでしょう。

介護タクシードライバーには「介護職員初任者研修」がおススメ

あなたが介護タクシードライバーを志望するなら、「介護職員初任者研修」の資格取得がおススメです。

理由は下記の3つ。

介護職員初任者研修の取得を勧める理由
  1. 基本的な介護スキルを身につけられる
  2. 取得期間が短い
  3. 取得費用が安く、支援制度もある

1.基本的な介護スキルが身につけられる

介護タクシーの主な業務は「送迎」と「介助」です。

介助はタクシーの乗り降りに関した「乗降介助」などだけでなく、送迎に伴う介助全般が対象となります。

つまり、お迎え時の「着替え」やタクシーまでの「歩行や移動の介助」なども業務に含まれています。

これらは利用者様の身体に直接触れるため、しっかりとした介護スキルの習得が求められます

その点、「介護職員初任者研修」は介護系資格の出発点であり、身体介護の基本的スキルが身につけられる資格。

介護タクシードライバーに適した資格と言えるでしょう。

2.取得期間が短い

また、取得するための期間が短いことも魅力の一つです。

上位資格の「実務者研修」は450時間(2~6か月)、さらに上位の「介護福祉士」は専門の養成機関でも約2年が必要です。

それに対し、「初任者研修」は130時間で済みます。

専門スクールに通えば、約1か月の時間で取得が可能です。

転職希望で、次のステップへ早く踏み出したい方には嬉しいですね。

3.取得費用が安く、支援制度もある

さらに他の資格と比較すると、取得費用も格段に安い(4~10万円)といえます。

その上、厚生労働省や各自治体から「介護職員初任者研修」の資格取得に対して支援制度があり、補助金や助成金が出されることがあります。

サポート

教育訓練給付制度」や「自立支援教育給付金事業」「介護職員資格取得支援事業」などの名称で実施されています。

これらの支援を受けるためには、「雇用保険の一般被保険者」であったり、「母子(父子)家庭の母(父)」などの条件があります。

詳しくは各自治体やハローワークに相談してみましょう。

最後に

いかがでしたか?

介護職には、色々な資格があることがお分かりいただけたと思います。

そのなかでも基本的な「介護職員初任者研修」は取得期間も費用も少なく済みます。

そのため、介護業界への転職をお考えの方は、資格を取得しておくことをお勧めします。

介護タクシーへの転職を視野に

それでも取得時間や費用が気になる方は、介護タクシーのドライバーも候補に入れてみてはどうでしょうか?

なぜなら、「介護タクシーの事業所を構えるためには、介護系資格をもった常勤のドライバー1名以上」が必要とされているからです。

逆説的に言えば、事業所のドライバー全員が資格を持っている必要はありません。

資格がなくとも、保険適用のない「福祉タクシー」のドライバーとして活躍できます。

さらには就労しながらの資格取得も可能です。

合同会社ビスタでは、介護タクシー事業を拡大させるため、ドライバーを募集しています

興味のある方は、資料請求をお願いします。

直接、お問い合わせいただいても構いません。

一緒に介護業界を盛り上げていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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