介護業界の専門的資格の種類とメリット

介護職に就くなら、まずは「介護職員初任者研修」の資格を取るのが普通です。

その次に「介護福祉士実務者研修」を経て、「介護福祉士」を目指すのが一般的。

さらには、その上の「介護支援専門員」…いわゆるケアマネージャーを目指す方もおり、この流れが介護業界におけるキャリアアップのスタンダートな流れといえるでしょう。

しかし、介護業界における資格はそれだけではありません。

介護士だけで、介護業界が回っているわけではありませんからね。

介護業界内には、介護士以外にも多くの職種があり、それゆえ色々な資格が存在するのです。

つまり、それぞれの用途に特化した専門的な資格と言えるでしょう。

今回は介護系の専門的な資格を紹介します。

この記事は、介護業界への転職を考えている方、介護士として新たなスキルを身につけたい方、介護業界内で別職種への転職を考えている方などに読んでいただけると幸いです。

主な専門的介護系の資格の一覧

専門的な資格
  1. 介護事務
  2. 介護予防運動指導員
  3. 福祉用具専門相談員
  4. ガイドヘルパー(移動介護従事者)
  5. レクリエーション介護士
  6. 福祉住環境コーディネーター

介護系・福祉系の資格には実に色々あります。

ここでは、今後の介護業界で役立ちそうな資格をまとめました。

業務に活かしやすい資格や、取得することで仕事の幅が広がりやすい資格を取り上げています。

1.介護事務

介護事務は介護施設等に勤務し、経理をはじめとした事務仕事全般を行います。

経理では、保険が絡む介護報酬の請求業務には専門の知識が必要になってきます。

この「介護事務」の資格は、介護保険の知識や介護報酬請求業務のスキルが身に付きます。

無資格でも業務はできますが、仕事をしながら1から自分で身につけねばなりません。

しかし資格があれば、それらのスキルを有しているとみなされ、採用に有利に働くでしょう。

ただし、資格は民間企業が独自に提供しているため、名称に若干の違いがあったりします。

経理は施設運営に欠かせない業務ですので、重宝される資格と言えます。

事務仕事

2.介護予防運動指導員

介護予防運動指導員とは、高齢者を対象として、個人の状態や筋力にあわせ介護予防プログラムを作成したり、運動や筋力トレーニングの指導を行います。

これにより高齢者の身体機能の維持向上に努め、日常生活の自立や質の向上を目指します。

受験には初任者研修(実務2年以上)や実務者研修などの要件があります。

とはいえ、試験自体は難しくなく、学習した内容の復習・知識の定着といった意味合いが強い試験となります。

残念ながら、資格の有無が給与に反映される施設はまだ少ないようです。

しかし、介護職員のスキルを証明し、就職・転職に役立つ資格と言えます。

3.福祉用具専門相談員

福祉用具専門相談員は、車いすや歩行器などの福祉用具に関する選び方や使い方を、アドバイスする専門員です。

各個人の状態や住居の環境によって、必要となる福祉用具は異なります。

そのような状況に対し、本人や家族の希望を取り入れながら、的確な助言・利用計画の立案まで行います。

また法律によって、福祉用具の貸与・販売を行う事業所には2名以上の配置が義務付けられています。

この資格は厚生労働省が認める公的資格です。

そのため、取得には厚生労働大臣が指定する講習で全ての科目を履修する必要があります。

ただし、すでにカリキュラムが含まれる介護福祉士や看護師・療法士の方は資格がなくても、福祉用具専門相談員になることができます。

4.ガイドヘルパー(移動介護従事者)

ガイドヘルパーは知的・全身性・視覚などの障害で一人で外出するのが難しい方に寄り添い、必要なサポートをするのが仕事です。

資格は公的なもので、各自治体が指定する研修カリキュラムを履修すれば取得でき、試験も必要ありません。

他の介護職の資格を持ち合わせていれば、最短2日で取得することも可能。

そのため、主な介護資格と合わせて取得することをお勧めします。

5.レクリエーション介護士

レクリエーション介護士は、レクリエーションの知識や実行のためのスキルを身に着けるための資格です。

この資格は介護施設の現場の声を受けて新しく創設された民間資格。

限られた場所、限られた設備で行う施設のレクリエーションは、どうしてもマンネリ化しがち。

そうなると高齢者の参加率や意欲も下がってしまいます。

この資格はレクリエーションが持つ本来の働き…身体の機能維持や高齢者への生きがいや楽しみを引き出すものとなっています。

レクリエーションの企画・実行に携わる機会が多い職員は取得しておくと良いでしょう。

ただし、この資格だけでキャリアアップには繋がりにくいのが実状です。

そのため、他の主だった介護系資格と合わせて取得することをお勧めします。

レクリエーションでリハビリ

6.福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは、障害を持つ方や高齢者などが安全快適に住むことができる住環境を提案するアドバイザーです。

本人の身体機能の状態を把握し、適した住宅改修の提案や福祉用具の選定などを行います。

例えば、段差の解消、引き戸への変更、手すりの設置などのバリアフリー化を、建築士やケアマネージャーと連携して進めます。

また、資格は3級から1級まであります。

2級以上を取得していると、介護保険を利用した住宅改修の書類作成が出来るようになります。

この資格を取得していると、福祉や医療・建築系も学んでいるとみなされます。

そのため就職・転職に役立つ資格と言えるでしょう。

特に、福祉関係・建築関係の方が取得するのにおススメな資格です。

スキルアップへ~その他の資格

上記で取り上げなかった資格も色々あります。

自分の目指す方向性と合致する資格を見極めながら、スキルアップを目指しましょう。

資格名 特徴
同行援護従事者養成研修視覚障害の方の援護
行動援護従事者養成研修知的・精神障害の方の援護
難病患者等ホームヘルパー難病・特定疾患を持つ方の在宅介護
重度訪問介護従事者重度な肢体不自由な方への訪問介護
サービス介助士
ケアフィッター
高齢者や障害を持つ人への
接遇や介助スキルを学ぶ
在宅介護インストラクター長期在宅介護を続けるための正しい知識
終末期ケア専門士尊厳を保つための臨床ケア

サービス提供責任者は資格ではない

よく聞く「サービス提供責任者」とは資格名ではありません。

訪問介護事業所の運営に設置が必要な責任者の事。

いわば、サービス提供責任者とは「役職名」ですね。

仕事内容は、訪問介護計画書の通り、ケアの内容や目標を指示し、介護サービスが提供されているかを確認すること。

サービス提供責任者になるためには、大きくわけて3つ。

  • 介護福祉士
  • 実務研修修了者
  • 初任者研修修了し、3年以上の実務経験

以上のような条件をクリアする必要があります。

これらは介護職のキャリアアップの資格と一致します。

普通自動車二種免許~介護系資格以外の選択肢

「介護業界への就職・転職を考えているけど、他の業界にも興味がある」また「あくまで介護業界は転職先の一つの候補」、「将来は資格を活かして開業したい」とお考えの方に、おススメしたい資格が「普通自動車二種免許」です。

普通自動車二種免許とは、タクシーやハイヤーなど「人を乗せて運び、運賃をもらう」ために必要な免許です。

つまりこの資格を有することで、介護業界では「介護タクシー」や「民間救急」などの職種へ転職が候補に入ります。

また介護業界に限らず、運送業界への転職も有利になります。

というのも、バス、タクシー、運転代行業など「旅客運送」に必須な免許であるため、人出不足に陥っている運送業界にはかなり有効な資格であると言えるでしょう。

また、この資格が活かせる「介護タクシー」や「運転代行業」などは、初期費用が安く抑えられるため個人で開業もしやすいのが特徴。

将来的には独立開業を目指したい!

独立して会社内の人間関係に縛られず仕事をしたい!

などと言った方には一考の価値がある資格です。

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資格取得のメリット

介護業界では無資格・未経験でも働き始めることができます。

しかし、資格は持っていた方がメリットは大きいです。

資格取得のメリット
  • 信頼が得られやすい
  • できる業務の幅が広がる
  • スキルアップ・キャリアアップにつながる
  • 給与があがる
  • 就職・転職に有利

信頼が得られやすい

資格とは、自分が身に着けた知識・技術が本物であるという客観的な証明です。

身体を預ける介護業界では、信頼は大事な要素です。

資格を有していることが、利用者や家族により安心感を与えることは間違いありません。

さらに職場や同僚からの信頼も「得やすい得にくい」は変わってくるでしょう。

信頼できる介護士

できる業務の幅が広がる

資格の有無よって「できる業務」、「できない業務」が出てきます。

例えば、初任者研修を修了していると「身体介護」が出来るようになり、現場でほとんどの介助が出来るようになります。

また、できない業務に直面した時は、有資格者の手を煩わせることを申し訳なく思ったりしますし、有資格者を呼びに行く手間もかかります。

自分が資格を持っていれば、そんな思いや手間とはおさらばです。

なによりすぐに対応できるため、利用者のためになります。

資格を持つことによって、実践的なスキルも身に付き多くの業務を任せてもらえることになるでしょう。

スキルアップ・キャリアアップにつながる

資格を取るためには、勉強して知識を磨く必要があります。

さらには実務経験が必要な資格もあります。

こうして身に着けた知識と経験が客観的に認められ資格となるのです。

当然、スキルは身に付きますし、それに伴ってキャリアもアップするでしょう。

介護職で一般的なキャリアアップは「初任者研修→実務者研修→介護福祉士→ケアマネージャー」となっています。

大抵の場合、取得した資格が上位の資格受験の要件になっています。

給与が上がる

資格を取得すると、その資格に応じて手当てが支給されることがほとんどです。

キャリアアップという形で給与ベースが上がるケースも多いです。

ちなみに無資格者と初任者研修修了者では、月の平均給与に3万円程度の差があります。

さらに介護福祉士、ケアマネージャーと上がるにしたがって大きく差がつきます。

資格の有無が給与に与える影響は大きいです。

平均給与差額
無資格者271260円0円
介護職員初任者研修300510円29250円
介護福祉士実務者研修307330円36070円
介護福祉士328720円57460円
ケアマネージャー362290円91030円
引用:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

ただし、取得が容易な資格や職場側で重視していない資格は給与に反映されないこともあります。

資格を取る時は職場にも確認して、計画的に行いましょう。

就職・転職に有利

資格は自己の知識・技術を他者から認められた証明です。

当然採用試験においては、無資格の応募者より有利になるでしょう。

現在の介護業界は人手不足もあり、無資格・未経験の人でも企業からの募集は多くあります。

しかし、本音は人手不足だからこそ、即戦力となる人材が欲しいはずです。

そのような中で、資格を持っていれば自分が希望する職場にも採用されやすくなるでしょう。

転職を行うならば、資格を取ってから探せば、より良い就職先に出会える可能性も高まりますね。

面接が好印象な様子

資格取得時の注意事項

介護業界には色々な資格があることがお分かりいただけたと思います。

資格は自分の持っている、知識やスキルの証明と言えます。

同じ知識やスキルを有していても、資格として認定されていなければ「給与に反映されない」、「業務として行えない」などと言った不利益が生じてしまいます。

そうならないためにも資格として取得しておきましょう。

ただし資格として取得する際には、通常スクールに通ったり、通信教育を受ける必要があります。

そのための費用や時間がかかってしまう事を、考えに入れておきましょう。

まずは自分の希望に合った資格を探して、調べることから始めましょう。

資格取得時の注意事項
  • 受験資格
  • 受講費用と受験費用
  • 取得までの受講時間
  • 公的な支援事業
  • 職場からの援助制度

自分は受験資格をみたしているのか?どのくらいの費用がかかるのか?受講時間は?資格取得に際して、行政や職場からの援助(リスキリング)はあるのかどうか?

気になる点はしっかりと調査しておきましょう。

介護職は「働きながら資格取得を目指している人が多い」のも特徴の一つです。

そのような業界のため、資格取得に対して比較的職場の理解は得られやすい環境と言えます。

通信やオンライン講座なども多くありますので、自分にあった受講方法を選びましょう。

~最後に~

いかがでしたか?

介護業界は資格取得をキャリアアップにつなげつつ、より専門的な知識・技術を身に着けることが可能です。

それらの資格により、より良い職場環境を求めることも、独立開業につなげることも出来ます。

あなたのそうした努力が利用者や職場、あなた自身へ還元されていきます。

自分に適した資格を見つけて、メリットにつなげていきましょう

この記事があなたの一助となれば幸いです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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