「定年後も生活を豊かにするために働きたいなぁ」
「高齢者になっても、健康維持ややりがいを感じるために仕事をしたい」
人生100年時代と言われる今、定年後も仕事をしたいと考える人が増えています。
定年を迎える時期には、子育てや住宅のローンが一段落している方も多いでしょう。
「第2の人生」を豊かに、自分らしく暮らすためには、そのための準備が必要です。
今回は定年後の働き方や探し方。またそのために準備すべきことを取り上げて、解説したいと思います。
この記事は、定年後の生活に不安のある方、第2の人生に向けて準備をしたい方、定年し再就職を目指している方などに読んでいただけると幸いです。
「老後2000万円問題」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
これは「老後30年間で約2000万円の生活資金が不足する」という試算が記載された報告書が、金融庁の金融審査会の市場ワーキンググループが「高齢社会における資産形成・管理」で提出され、問題としてマスコミに取り上げられました。
この問題に対応するためには、早いうちから定年後の「第2の人生」について、真剣に考えておく必要があります。
実際にこの問題への不安からか、定年後の就労意識は高まっています。
このことは、2017年に内閣府が就労中の60歳以上の男女を対象に行った「あなたは何歳まで収入を伴う仕事をしたいですか?」という意識調査にも表れています。
結果は「働けるうちはいつまでも」が約42%で最も多くなりました。
次いで「70歳くらいまで」が約22%、その次が「65歳くらいまで」が13.5%という結果となり、「定年後はゆっくりのんびりと」という従来のライフスタイルを望む人は少なくなっています。
事実、労働力人口中に占める高齢者の割合は年々高くなってきています。
例えば、2016年の労働力人口6,637万人のうち65歳以上の労働人口は786万人に上り、実に11.8%…10人に1人以上が高齢者となっているのです。
つまり、就労意識の高まりだけでなく、既に多くの高齢者が働いているのが現状なのです。
ただし、就労している高齢者の多くは、定年前と異なる雇用形態で就労しています。
つまり正規から雇用形態を変え、非正規職員として再就労しているのです。
60~64歳では50%以上、65~69歳に至っては70%以上の人が非正規の職員や従業員として働いています。
この現状は2つのことが理由として挙げられます。
ひとつ目は、65歳以上の方を正規職員として採用する企業が少ないこと。
ふたつ目は、「ハードに働きたくない」という考えの高齢者も多いこと。
高齢者が60歳未満の現役世代と同じ仕事量をこなすのは身体的にも精神的にも負担が大きく、「ハードに働きたくない(働けない)」と考えるのは当たり前と言えます。
とはいえ、生活保険文化センターが2019年に行った「生活保障に関する調査」では、老世帯の夫婦二人暮らしの最低日常生活費は平均で「月額22.1万円」であることを考慮すると、簡単に仕事を辞めるわけにもいきません。
その結果「非正規雇用でも就労を継続しよう」となります。
つまり、現状は企業側と高齢労働者側、双方の落としどころであると言えます。
定年後に仕事を継続する方法は主に3つです。
- 同じ会社に再雇用される
- 他の会社に転職する
- 起業・独立開業する
高齢者雇用安定法が改正されたため、定年後でも同じ会社で働き続けることが可能です。
この法律で、企業側には従業員の希望によって65歳までの再雇用が義務付けられました。
しかし、現在の会社に残っても、望む待遇や収入が得られるかは別の話。
なぜなら、一度退職した後、パートやアルバイト、契約社員や嘱託職員といった雇用形態で就業することになるからです。
一般的には、再雇用は嘱託職員になるケースが多いと言われています。
嘱託職員になると、給与は定年前の半分以下に下がることが多いのが普通です。
また肩書も付かないケースが多いため、定年前に役職についていた方にとっては、肩身の狭い思いをすることもあるでしょう。
ただし、慣れ親しんだ会社であり勝手知ったることも多く、その分メリットも多いと言えます。
事前に再雇用の条件について、担当者とよく確認しておくと良いでしょう。
また、再雇用の先輩に現在の暮らしや仕事の満足度を聞いておくのも良いですね。
現在の仕事に満足していない、今までと他の仕事をしてみたい、と思っていた方もいるでしょう。
そのような方は、心機一転。
「他の会社に転職する」ことも、ひとつの選択肢です。
ただし、60歳前後の年齢になると「正社員で好待遇の再就職先」というのは中々ありません。
ひとつ目の対策としては、早めの転職を検討すること。
つまり定年間近でなく、50代初期から転職を検討し、その準備を行っておくのです。
自身の経験、スキルを考慮した上で、市場的に価値があるか見極めましょう。
その上で、定年後を見据えた転職先を選んでおくと良いでしょう。
ふたつ目の対策は、企業側の「ニーズ」をしっかりと把握することです。
例えば、一定期間就職サイトなどを見続けていれば、企業が求める人物像や資格といった傾向が解るようになってきます。
解るようになれば、そのための資格を取得したり、知識や技術を磨くことが出来ます。
再就職の成功率を高めるだけでなく、資格による給与アップが期待できます。
自分で独立開業してしまうのもひとつの手段です。
自らで開業すると、会社内の煩わしい人間関係に悩まされたり、定年やリストラに怯える必要もなくなります。
特に専門性の高い仕事をしてきた方なら、今までのキャリアやスキルも活かせます。
そのため開業へのハードルは低いものになるでしょう。
また、専門性が高くない職種の場合でも、諦める必要はありません。
現在は通信講座やweb講習など、働きながら資格を取得する方法も多岐にわたります。
資格を取得し、副業から始めて経験を積み、定年後に開業する、といったプランニングも出来ます。
ただし起業にはリスクが伴ううえ、一定の初期費用が必要です。
設備投資や運転資金などで、退職金を使い果たしてしまわないよう注意しましょう。
起業には、会社を起ち上げるだけでなく、フリーランスや個人事業主といった形態もありますので、検討しましょう。
小規模に始めて、軌道に乗ったら徐々に規模を拡大していく方がリスクを抑えられます。
またリスクを鑑みて、あえて初期費用が少ない職種を選ぶのも良い方法と言えます。
定年後、起業を検討している方には「介護タクシー」の開業がおススメです。
- 初期費用が少ない
- 必要資格が取得しやすい
- 競合が少なく、ニーズが多い
- やりがいのある仕事
ビスタの中核事業である「介護タクシー」は定年後の開業にもピッタリです。
最大の理由は「初期費用が少ない」という点です。
介護タクシーは個人事業主として始めることが出来る上、事務所や車庫は自宅と兼用できます。
その上、求められる人的要件も5人未満の事業所であれば、自分一人で兼任することが可能。
極端な話、利用者様を送迎できる「福祉車両」1台を用意することが出来れば、事業を開始することが出来てしまうのです。
福祉車両の購入に退職金の一部を充てれば、事業の開始は随分と楽になる事でしょう。
また、必要な資格としては「普通自動車二種免許」と「介護職員初任者研修」となります。
しかし、どちらも資格取得の難易度としては高いものではありません。
さらに「介護タクシー」は高齢化社会が進む日本では、ニーズが高くその需要に供給が追い付いていないのが現状です。
今、開始すれば、先行者利益を十分狙うことが出来るでしょう。
リピーター率も高いため、他業種より軌道に乗りやすいと言えます。
また、介護タクシーの利用者は基本的に「移動に困っている人」です。
つまり困り事の解消に行くのですから、感謝の言葉をいただく機会が多く、やりがいのある仕事といえるでしょう。
定年後に再就職先を探すにあたり「正社員で、今までの給与と同額程度、家からも近く…」と条件を出してくる方も多くいます。
本人的には当たり前のことなのだと、気持ちはわかりますが、そのような好条件の再就職先はほとんどありません。
そうなると、なかなか就職先が決まらず、貯蓄が目減りする一方です。
充実した第2の人生を送るためには、妥協も必要。
その妥協点を自身が納得して仕事を選択することが大切です。
そのための4つのポイントを整理しましょう。
- 働く目標を設定する
- 働いて得るべき金額を算出しておく
- 譲れない条件を明確にしておく
- 活かせる経験・スキルを把握する
まずは「何のために働くか」を改めて考え直し、第2の人生における目標を設定することです。
定年前には子供の養育費や住宅のローン返済など、様々な支出がかかっていたと思います。
そのため、働く第1目標を「高収入」としてきた人が多いでしょう。
しかし、定年後はそれらの支出が落ち着いているケースも多く、決して「高収入」を第1目標にする必要はありません。
確かに給与は多いに越したことはありません。
ですが、そのような職種では多くのパフォーマンスを求められたり、重い責任がかかってきたりします。
身体的にも無理が効かない年齢であることを考え、「ゆとりある生活が成り立てば良い」と割り切ることも重要です。
そのため「何のために働くのか」を今一度考えましょう。
そうすれば「やってみたかった仕事」「ストレスが少なく継続できる仕事」「柔軟な働き方が出来る仕事」「社会貢献できる仕事」「趣味や特技を生かせる仕事」など、自分に合った仕事を選びやすくなるはずです。
本当の意味で「豊かな生活」を楽しむために働いてみませんか。
定年後の仕事は決して高給である必要はありません。
しかし、生活が成り立たないのは困りもの。
そのため、月々の生活費がどのくらいになるのかを計算しておきましょう。
年金を中心とした固定収入と食費や光熱費などの固定支出を紙に描き出します。
そうすることで、定年後に働いて得るべき金額が明確になるでしょう。
さらには自分が取るべき行動もイメージしやすくなります。
赤字分を補えるよう働ければ、とりあえずの生活は成り立ちます。
赤字分が3万円であれば、時給1000円のアルバイトが1日3時間×10日間必要となります。
週に3時間を3回のシフトを入れてもらえばちょい黒字。週に4回で小遣いが、週に5回入れてもらえば貯蓄に回せる。
なんなら3時間の労働時間を5時間に増やしても良いでしょう。
ちなみに2021年の総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦世帯では月額平均で18,525円が不足するとされています。
前述したように、定年後に自分が望む条件を全て満たすような好条件の再就職先はほとんどありません。
全く新しいスタートとして割り切っていかないと、収入が入ってこないばかりか、健康にも影響が出てしまいます。
そのため譲れない条件を明確にしておきましょう。
自分が何を大事にするのか、大事にしたいものは何なのか?
- 自分にとってやりがいのある仕事
- 家族の介護のため、勤務地や拘束時間に融通が利く仕事
- 自身の健康状態にあった無理のない仕事
それらがはっきりすれば、妥協点も見えてくるため、再就職先を探しやすくなります。
また自身が積み上げてきた「経験やスキル」を明確にしておきましょう。
「定年後に使えるようなスキルは持っていない」と自分では思っている人でも、社会のニーズとマッチすることはよくあるのです。
例えば、家事しかしてこなかった主婦の方でも、家事代行の仕事に就くことも出来るのです。
当たり前と思ってきた経験やスキルを、一度紙に書き出してみましょう。
俗にいう「スキルの棚卸」ですね。
その際、深く考えず出来ることなんでも書き出してください。
客観的に自分の持っている経験やスキルを見つめることができます。
意外な能力が再就職に役立つかもしれませんよ。
定年に向けた準備は早いに越したことはありません。
いざ定年を迎えた時「もっと前からやっておけばよかった・・・」と後悔しないためにも、現役中に時間を捻出して準備しておきましょう。
- 定年後の求人を探しておく
- 活かせる資格やスキルを身につけておく
- 人脈を広げておく
- 副業で試しておく
まずは、定年前から定年後の求人をチェックするのが重要です。
転職サイトなどに登録し、エージェントからの意見を聞いてみましょう。
現在の自分の立ち位置、社会が求める人物像、求人が多い職種など、現状を把握することが重要です。
そのなかで自分が希望する求人があれば、定年後の採用について実際に問い合わせるのも有効です。
「定年後の正規採用は難しい」、「○○の資格があれば雇用可能」などといった有益な情報が得られる場合もあります。
これらの情報は、今後の方針の指標となるでしょう。
現状を把握したら、それらに対応した資格やスキルを身に着けておくことです。
自分が希望しつつ、社会が求めている職種に対応した資格を選ぶと、より採用に有利でしょう。
今までの経験が活かせるものなら資格の取得もハードルが下がると思います。
また再就職なのか、起業するのかにより必要な資格もガラリと変わります。
取得の難易度、費用、必要時間を計算にいれながら、選びましょう。
定年前に人脈を広げておくことも有効です。
実は定年後に再就職する方の少なくない数が、知人からの紹介で仕事を見つけています。
自分の技術・能力や人となりを知っている知人が会社に紹介してくれるので、ミスマッチする確率は下がります。
また、現役時代と同じような職種で独立開業する場合は、それまでに培った人脈がより生きてくるでしょう。
営業面で大きなアドバンテージを得ることが出来ます。
そして重要な準備の一つが「副業」で試してみることです。
実際に試すことで、自分への適性がハッキリとわかります。
定年前にチャレンジできれば、本番での失敗確率を下げるとこが出来ます。
小さく始めて経験を積み、定年後に徐々に拡大していくのが理想。
もし副業禁止の会社であれば、経験を積むと割り切ってボランティアで試してみましょう。
定年後の仕事探しにはその前から準備をしておくことが重要です。
既に定年を迎えてしまっている方は、「スキルの棚卸し」をして自分にできることと、社会のニーズが合致する所を探してください。
また、注意して欲しいのが「年金との兼ね合い」です。
年金を受給しながら働くと場合によっては、年金の受給額が減ったり、停止されたりする場合があります。
在職老齢年金制度を確認しておきましょう。
日本年金機構のホームページからは、支給停止額などの計算式が確認できます。
働きすぎにより、受け取れるはずの年金が少なくなる可能性があることは念頭に入れておきましょう。
いかがでしたか?
この記事があなたの一助となれば幸いです。
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もちろん定年後の開業も大歓迎。
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一緒に地域の介護タクシー業界を盛り上げていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。