救急救命士になるための2つの方法と費用

救急救命士になるための方法

「へぇ~、ここの介護タクシーの運転手さんは救急救命士なのか。」

「ここの福祉事業所は救急救命士の付き添いサービスなんてあるんだ。安心だね。」

2021年の法改正に表れているように、救急救命士の活躍の場が広まってきています。

実際に、消防一辺倒だったひと昔前と比べると、病院や民間企業での採用も増えてきました。

その裾野を広げるべく、救急救命士になるための大学や専門学校も、先行する形でどんどん増えています。

つまりは、救急救命士を志す若者が増えていることに他なりません。

そこで今回は「救急救命士」になるためには、どのような方法があるのか?

また、どれくらいの費用がかかるのかを紹介したいと思います。

この記事は…

  • 救急救命士になる方法や費用が知りたい方
  • 医療系職業に興味のある方
  • 消防士に興味のある方

…などにお読みいただけると幸いです。

救急救命士の始まり

プレホスピタルケア(病院前救護)を行い、必要な処置を施しながら救急現場から医療機関まで搬送する医療専門家が救急救命士です。

簡単にいうと「病院前救護のスペシャリスト」という事になります。

以前、詳しく記事にしていますので、興味のある方はコチラの記事をご覧ください。

しかし、何事にも始まりはあるもの。

なぜ、「救急救命士」が必要だったのか?

まずはその根本を押さえておきましょう。 

なぜ救急救命士が必要だったのか?

救急業務の始まりと法整備

そもそも日本の救急業務は、1933年(昭和8年)に神奈川県警察部が横浜消防署に救急車を配置したことが、はじまりとされています。

当時、消防は警察組織の一部門に過ぎなかったのです。

その一部門中の、さらに一つの消防署で、キャデラックという普通車を改造したものを救急車として使用し始めました。

つまり、専用の車両すらなく、行う任務も現場から病院までの「搬送」のみでした。

それでも横浜での運用を皮切りに、名古屋や東京でも救急車が配置され救急業務が開始されたのです。

実際に救急業務がスタートすると、その需要の高さが浮き彫りになりました。

背景には、当時増加した自動車による交通事故の爆発的増加がありました。

それに伴い、救急車の増台と運用する隊員の増員が徐々に行われていったのです。

救急車

戦後の1948年(昭和23年)には、消防が警察機関から分離・独立。

続いて、1952年(昭和27年)、1953年(昭和28年)と1963年(昭和38年)の法改正により、救急業務の法制化が実現しました。

これらの法整備により、「救急業務は消防が行うこと」「救急業務の義務と責任」がハッキリと示され、今日に至ります。

病院前救護を行うための救急救命士法

その後も、救急需要が増加していく中で、救急要請の内容もより複雑・多様化してきました。

つまり「搬送」のみの活動ではなく、社会は「応急処置」の充実を求めていたのです。

それらの要望に応えるため、1991年(平成3年)に「救急救命士法」が制定されます。

救急救命士法は、現場から病院に到着するまでの間に医療行為の一部を行うアメリカの「パラメディック制度」を参考にして制定されました。

つまり、それまで医師以外には禁止とされていた医療行為が一部ではありますが、実施可能となったのです。

高度な応急処置

また、時を同じくして「救急救命士」という国家資格が誕生しました。

そして翌年の1992年(平成4年)には、救急救命士が乗車する救急隊の運用が始まったのです。

現在でも、より高度な応急処置と迅速な搬送で救命率の向上を目指し、全国の救急救命士と救急隊が活動しています。

救急救命士になるための方法と費用

救急救命士になるには、大別して二つのルートがあります。

ひとつ目が「大学や専門学校で勉強し取得する」ルート

ふたつ目が「消防士になってから取得する」ルート

簡単に言うと、消防士になる前に取るか、消防士になった後に取るか、という事になります。

この「介護タクシービスタ」のサイトで記事に取り上げていますが、救急救命士の有資格者6割以上の方が消防に就業している現状では、この区分けは仕方のない事でしょう(笑)

1.大学・専門学校で勉強し取得する

近年でメジャーな取得方法が、「大学や専門学校で勉強し取得する」方法です。

正確には、学校では医療の知識と救急救命に関する技術を学びます

そして学校卒業後、国家試験を受けて合格することにより資格を取得できます。

合格後は、免許の申請や救急救命士名簿への登録など、所定の手続きを完了することで、救急救命士として活動できるようになります。

もちろん、学費や受験料などは自分で納めねばならず、相応の時間と費用がかかります。

通常、大学は4年間。専門学校では、2~3年間のカリキュラムが組まれます。

費用は授業料および実習費として、年間90~120万ほどが相場となっています。

また、その他に入学金などが必要な場合も多いため、志望する学校には必ず問い合わせましょう。

学校で学ぶ

2.消防官になってから取得する

自費で学校に行かずとも、救急救命士になることも可能です。

それが消防官になってから「救急救命士」の資格を取得する方法です。

まずは地方自治体の消防官採用試験を合格しなければなりません。

そして消防官としての実績を積む必要があります。

約2か月ほどの消防学校の救急標準課程を修了し、救急隊員として救急現場を既定の時間以上経験しなくてはなりません。

時間をクリアしたら、所属する消防本部から救急振興財団が運営する救急救命士養成所…通称エルスタ」への派遣員に選ばれる必要があります

そして約7カ月の養成課程を経て、国家試験に挑み合格することで救急救命士の資格を得ることが出来ます。

ただし、この方法は採用された自治体により、大きく左右されるため注意が必要です。

というのも、派遣員として養成所に入るための費用は当然自治体から出ています。

そのため派遣する人数は自治体によりますし、そもそも派遣しない自治体もあるでしょう

遡っていえば、派遣員になるためには各消防本部内の競争に勝ち抜く必要もあります。

消防官になってから救急救命士を目指す方法は、不確実性が高いという事を覚えておきましょう。

消防士

養成カリキュラム

救急救命士の養成所の指導要領は、厚生労働省から各都道府県知事宛てに通達が出されています。

つまり、「学校を設置するならこの基準に従ってください」というものですね。

指導要領には、学生に向けたものや教員に向けたもの。また、授業や設備について決められています。

なかでも、教育内容は「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」に分かれ、内容と単位数が決められています。

1.基礎分野

基礎分野の教育内容
  • 科学的思考の基盤
  • 人間と人間生活

合計8単位

基礎分野の教育目標を要約すると…

「医療従事者として、必要な科学的思考と教養を身につけましょう。」

「情報社会に対応できる知識を習得しましょう。」

「人間性を磨きましょう。」となります。

つまり医療従事者である救急救命士になるには、科学的な考え方や知識、人間性が求められるという事ですね。

2.専門基礎分野

専門基礎分野の教育内容
  • 人体の構造と機能
  • 疾患の成り立ちと回復の過程
  • 健康と社会保障

合計26単位

専門基礎分野では「人体の構造と心身の発達」「疾病や障害」「公衆衛生」「国民健康・環境保健・医療・福祉」…

これらに関する知識を系統的に習得することを目標としています。

これらを基礎にして専門分野を詳しく学んでいく事になりますので、しっかりと身につけましょう。

特に人体の構造の把握は、すべての医学知識の土台になりますよ。

人体図

3.専門分野

専門分野の教育内容
  • 救急医学概論
  • 救急症候・病態生理学
  • 疾病救急医学
  • 外傷救急医学
  • 環境障害・急性中毒学
  • 臨地実習

合計131単位

さすが専門分野は単位数が違いますね。

疾病や外傷など、実際の救急現場に即した医学知識や処置・搬送法を身に着ける必要があります。

また、救急医学概論では「地域における救急救命士の役割とメディカルコントロール体制」、「インフォームドコンセント」「医療事故対策」などの知識習得も求められます。

これらは処置や搬送に直接関係はありませんが、救急救命士だからこそ理解していなければならない内容です。

さらに臨地実習」では、今まで習得してきた知識や技術を、的確かつ安全に応用できる実践能力を身につけねばなりません。

しかし、実践能力は一朝一夕で身に付くものではありません。

そのため、カリキュラムの中で多くの時間が確保されています。

救急シミュレーション訓練

大学や専門学校は指導要領に従ってカリキュラムを編成し、そこに独自の授業や実習を肉付けして特色を出していることになります。

さらに詳しく知りたい方はコチラを参考にしてください。

救急救命士に向いている人

救急救命士は救急現場のみならず、火災や交通事故といった災害現場に日常的に出動しなければなりません。

そのため医療従事者の中でも、ハードな部類に入るでしょう。

だからといって、給与的には高いわけではありません。

救急救命士の多くは消防署に勤務する地方公務員ですので、採用される自治体によって給与は大きく変わります。

そのような条件の中、危険な任務に身をさらすわけですから「人を助けたい!」という情熱をもち、将来にわたって持ち続けられる人が救急救命士に向いていると言えるでしょう。

また、救急救命士は救急現場において、傷病者と一番最初に接する医療人です。

つまり、救命活動の成否や傷病者の予後に大きく関わる存在と言えます。

そのため、冷静に現場を見極める能力迅速な対応力が求められています。

ただしこれらは、訓練次第で伸ばしていける能力でもあります。

そのため、勤勉な人こそ救急救命士に向いていると言えるでしょう。

救急救命士

~最後に~

救急救命士になるためには「学校で勉強して取得する」方法と「消防官になってから取得する」方法の2つのパターンがあります。

ただし、消防官になってから救急救命士になるには、消防本部から選ばれなければならないため不確実と言えます。

確かに費用はかかりませんが、その分消防本部の看板を背負っているため、かかるプレッシャーも半端ではありません。

従って、確実に資格を取りたいならば、大学や専門学校等で勉強し取得する方が良いでしょう。

少なくない費用負担がありますが、救急救命士の有資格者は消防官の採用試験に有利なのも事実です。

自治体からみれば、養成費用が必要のない人材ですからね。

また消防官になれば、数年で費用は回収できるでしょう。

まさにwinwinの関係です。

そのためビスタサポートとしては、自己投資と割り切って、学校に通う方がおススメしています。

そしてご縁があれば、是非ビスタの門を叩いてくれると嬉しいです。

専門学校生

いかがでしたか?

この記事があなたの一助となれば幸いです。

また、ビスタサポートは地域の介護・医療の支援企業として日々活動を行っています。

移動に不便のある方。

日々の通院や送迎に苦労されているご家族様。

是非、ビスタサポートにお声がけください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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