「再就職先の福祉施設では、オンコール勤務があるみたい。私、初めてなんだけど…」
「病院勤務しかしたことないから、オンコールを受ける側なんてやったことない。不安だなぁ。」
老人福祉施設に勤務する(または就職希望の)看護師や医療従事者の中には、不安に思っている方も多いでしょう。
特にオンコール勤務を経験したことのない方は、業務内容だけでなく、待機中の過ごし方や手当など、不安の種は尽きません。
さらに経験者の方たちは、待遇に不満のある方も多いのではないでしょうか。
また、私たちビスタサポートでは、中核事業の一つとして「オンコール代行」を行っています。
そのため、オンコールについての記事も過去に幾つかあげています。
しかし、いずれも「オンコール代行」についての記事ばかりでした。
そこで、今回は基本に立ち返り「オンコール勤務」そのものについて解説していきたいと思います。
この記事は…
- オンコール勤務の内容が知りたい方
- 勤務に不安のある従業員の方
- オンコール代行に興味のある経営者の方
…などにお読みいただけると幸いです。
なお、オンコール代行に興味のある方はコチラの記事もご覧ください。
医療・介護業界で用いられる「オンコール」とは、現場で働く医師や看護師が緊急時の呼び出しや相談に備えて、すぐに対応できるよう職場外で待機しておくことを言います。
主に夜間帯や休日など、職場の勤務人員が少ない時間帯をカバーしています。
待機場所は組織の規定に沿っていれば、自宅以外でも構いません。
ただし、すぐに連絡がとれるよう電話に出られることが条件となります。
また、医師や看護師などの業種によって、オンコールを受けた時の対応の内容が変わります。
さらに同じ看護師であっても、職場の種類で対応が変わりますので注意しましょう。
オンコールがある職場は大きく分けて下記の3つになります。
- 病院
- 介護福祉施設
- 訪問介護事業所
それぞれの主なオンコール勤務の内容を見ていきましょう。
病院では医師か看護師かなど、職種によっても違いがあります。
医師の場合は、現場の医師では対応しきれない緊急手術などで呼び出される場合が多いです。
救急搬送や入院患者の急変などは、いつでも起こりえることですからね。
そこでオンコールに備えて、住居を職場の近くに構えること(30分以内の駆け付け)を採用条件にしている病院もあるようです。
また、看護師の場合も、緊急手術などで呼び出されることが多いようです。
手術現場への対応のほか、術後の機器洗浄などを行うこともあります。
介護福祉施設でのオンコールは、主に施設の介護士から看護師への連絡が多くなります。
特に入居施設である特別養護老人ホームやショートステイなどから、夜間帯にコールされます。
なぜなら、夜間帯は医療従事者である看護師が不在のことが多いからですね。
入居者の体調が急に悪くなった際、その対応方法の相談を受けます。
看護師は状況を聴取し、医学的判断から現場対応を指示したり、救急車要請の判断をします。
さらに必要に応じて、職場へ駆け付けし医療ケアを施すことになります。
救急車を要請した場合は、救急車への同乗を行なう事もあります。
訪問介護事業所に務める看護師は、訪問先の利用者やその家族から電話を受けることが多くなります。
その筆頭は、普段の様子と違う事を心配した家族からの相談です。
そのため、電話口で相手の不安を取り除き、適切なアドバイスを行わねばなりません。
家族も高齢な場合が多く、適切な聴取とその伝え方が重要です。
相談の中には、利用者の体調急変などの緊急性が高い場合もあるため、しっかりと心構えしておきましょう。
こちらの場合も、必要があれば駆け付けし、医療ケアを実施します。
オンコールの頻度は職場の環境に大きく左右されます。
特に介護事業所の場合は、在籍している看護師の人数に直結します。
平均的な事業所ごとのオンコール回数は、月平均で5~10回程度。
これを看護師の在勤人数(もしくはオンコール可の人数)で割ったものが頻度になります。
また、施設で受け入れている入居人数や種類によっても頻度は異なってきます。
そのため「オンコール有り」の職場では、待遇について採用前に必ず確認しておきましょう。
ちなみに個人経営の入院施設がある病院では、常勤医師が一人しかいない場合もあり、常にオンコール待機している医師もいます。
手当の支給の仕方も職場によって変わります。
そのため「自分の受け取っている手当は相場と比べてどのくらい?」と思う方も多いでしょう。
オンコール手当の相場は1回につき1000~3000円です。
さらに呼び出された場合は、時間外手当が支給となります。
事業所の中では、施設より訪問看護事業所の方が高い傾向があります。
また、緊急訪問の手当てを5000円以上の定額制にしている事業所も多くなっています。
ちなみに医師の場合は、一回の呼び出しで1~3万円の手当てが支給されることが多いようです。
自宅などで待機するオンコール勤務ですが、職場でないからと言って何をしても良いわけではありません。
一般的なオンコール勤務時の注意点は以下の通り。
- すぐに連絡がとれるよう携帯電話を持ち歩く
- 自宅や職場近隣で過ごす
- 飲酒を避ける
すぐに連絡を取れなければ、オンコール待機している意味がありません。
そのため携帯電話は常に持ち歩き、すぐに出られるようにしておきましょう。
入浴中などは呼び出し音を大きくするなどの対応が必要ですし、電波の通じない地下のカフェなどに長時間留まることも止めておきましょう。
また、内容によっては現場へ駆け付けることも必要になってきます。
そのため、待機中は自宅や職場近隣で過ごすことが求められます。
駆け付けまでの目安時間は30分としているところが普通です。
少なくとも市内で過ごすよう心がけましょう。
さらに電話対応では、医学的判断を求められることもあります。
そのため飲酒などの判断を鈍らせる行為は避けましょう。
そもそもアルコールを摂取してしまうと、車で駆け付け出来なくなってしまいます。
ここまでの記事の内容でオンコール勤務について、わかったことも多いと思います。
オンコール勤務に関するメリットとデメリットをまとめてみましょう。
- 手当の支給
- 医療従事者としてのスキルアップ
- やりがい
メリットの最たるものは単純に「賃金」。
つまり手当が支給されるということ。
働いている以上、賃金以上の対価はありません。
しかも、オンコール勤務は制限があるとはいえ自宅で過ごせたり、外出することも可能です。
つまり「勤務日よりも大幅な自由があり、休日に稼いでいる」と解釈することも出来ます。
「より稼ぎたい」と考えている従業員にはメリットとなるでしょう。
またオンコールは医療従事者としてのスキルアップに繋がります。
聴取しかできない状態での状況判断。聴取の仕方。電話口でのアドバイス。
駆け付けした時は、他に頼る人がいない状況で現場対応しなければいけません。
どれも今までにない経験です。
否が応でもスキルアップにつながるでしょう。
さらには、現場にいかない場合でも、自分の医学的知識を活かせます。
電話ひとつで利用者と現場の介護士の二人を救うことが出来る仕事、と考えるとやりがいもあるでしょう。
- 遠出が出来ない
- アルコールが飲めない
- コールへの心的ストレス
ある程度の自由があるとはいえ、流石に遠出は出来ません。
旅行のほか、市内であっても駆け付け出ない登山やキャンプも控えねばなりません。
前述したようにアルコールが飲めないこともデメリットでしょう。
特に、習慣的に夕食時に飲酒されている方には、大きな機会損失と言っても良いかもしれません。
また、オンコール勤務は「いつ電話がかかってきてもおかしくない」という状況に置かれます。
休日であるはずなのに、電話を持ち運ぶ手間もあり、ゆっくり休めた気がしません。
これが心的ストレスになる方もいるでしょう。
当然ですが、看護師の中にも、オンコール勤務に向いている人もいれば、いない人もいます。
要は前述したメリットとデメリットを、どこまで受容できるかによります。
向いている人は「稼ぎたい」「やりがい」といったメリットを強く感じるほか、「飲酒の習慣がない」「普段遠出をしない」などといった生活の習慣が合致している人でしょう。
逆に向いていない人は、自分の生活習慣と合わず「プライベート」を侵害されていると感じる人です。
コールへの心的ストレスが高いと気が休まらず、休日の意味がありません。
また、家庭環境が許さない人…子育てや子供の学校行事、介護などで休日が忙しい人もオンコール勤務には向いていません。
たとえ「稼ぎたい」「やりたい」と思っていてもです。
いずれも途中で投げ出せるわけではありませんからね。
そのような方はオンコール勤務がない職場を探す方がよいでしょう。
もしストレスや家庭環境などにより、オンコール勤務が出来なくなった場合は、上司に早めに相談しましょう。
シフト調整や人材確保といった対応がしやすくなり、お互いの負担が軽減できます。
オンコール勤務は従業員個人に対してメリットもあれば、デメリットもあります。
しかし「プライベート」や「家庭環境」の面から考えると、一般的にはデメリットの側面が強いのも確かです。
そしてそのデメリットのため、離職や転職を考える人もいます。
事業所側の視点からみれば、オンコール勤務があるために、人材確保が難しくなっているところも問題でしょう。
このような問題の解決策として「オンコール代行」を用いるのもひとつの手段です。
緊急時のオンコールに対し、看護師や救急救命士などの医療従事者が、電話対応や駆け付けをしてくれる代行サービスです。
従業員側にとっても、事業所側にとっても、多くのメリットがあります。
働き方改革。人手不足。ライフワークバランス。
色々なことが叫ばれる昨今。
時代に適したサービスと言えるでしょう。
ビスタサポートでも、オンコール代行サービスを提供しています。
弊社のオンコールサービスは、専用のスマートフォンやタブレット端末を用いたビデオ通話で行うため、現場の状況が判断しやすくなっています。
これであれば、現場の介護士さんが緊張のため上手く話せない時でも、現場をカメラで映すことによりアドバイス対応が可能となります。
現場の介護士さんに優しいシステムです。
また、弊社の形式に沿ったレポートも作成・送付しますので、報告書作成の手間も省けます。
サマリーに保管していただけば、申送りや経過報告にも役立ちます。
さらには弊社独自の取り組みとして、コールを受けた一定時間後に継続観察のため、こちらから再コールをいたします。
その時、体調変化や症状の悪化など、利用者様の状態を再度確認します。
その上で必要があれば、対応事項を指示させていただきます。
もちろん再コールによる費用は頂きません。
このアフターフォローで、人員の少ない夜間体制でも、安心な勤務が出来るようサポートいたします。
是非一度、資料請求してみてください。
30日間の無料サービス体験もございますよ。
ビスタサポートが、オンコール代行サービスを開始してから一年以上。
今では全国の施設から提携していただいています。
特に弊社独自の「再コール」は現場の介護士さん、夜間スタッフさんに好評です。
やはり夜間は人数も少ないため、どうしても不安が募るのでしょう。
ビスタサポートは、そのような現場の悩みも手厚く支援したいと考えています。
そのため、ホームページ上に載っていないケースでも、まずはご相談いただければ幸いです。
いかがでしたか?
この記事があなたの一助となれば幸いです。
また、ビスタサポートは地域の介護、医療のサポート企業として皆様のお役に立ちたいと考えています。
移動でお困りの方。日々の送迎で苦労されているご家族様。
オンコール業務や施設送迎で困りごとのある事業所様。
是非、ビスタにお声がけください。
そのお悩み、ビスタが解決いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。