死後事務委任契約によって、自身の死後に残る膨大な事務仕事の負担から家族を守ることが出来ます。
これにより「残された家族に迷惑をかけたくない。」という、あなたの希望も叶えられるでしょう。
またおひとりさまや事実婚、家族と疎遠になっている方などにも、死後事務委任契約は必要とされているの制度です。
自身の死後に残る問題を解決できる死後事務委任契約は、憂いを無くし余生を快適に過ごすことに繋がるでしょう。
では、今回は死後事務委任契約の契約の流れや費用の相場などについて解説していきたいと思います。
この記事は…
- 自身の死後、家族や親族に迷惑をかけたくないとお考えの方
- 死後事務を託せる身内がいない方
- 死後事務委任契約を含む、生前契約に興味のある方
…などにお読みいただけると幸いです。
死後事務委任契約とは、自身の死後に発生する事務処理を、第三者にあらかじめ依頼し契約をかわしておくことです。
人間が亡くなった後に発生する事務処理は、葬儀関係や行政手続き、各種契約の解除などなど…多岐に渡たるうえ煩雑。
そのため、残された家族にとって大きな負担となっているのが現状です。
その負担を取り除くのが「死後事務委任契約」であると言えます。
また、「葬儀形式に拘りがある。」「知られたくないデジタルデーターを処分して欲しい。」など、自身の死後に要望がある場合にも有効です。
詳しくは、死後事務委任契約の概要を記事にしております。
下記リンクからご覧ください。
契約の相手…受任者には、特別な資格や条件は必要ありません。
そのため、幅広い選択肢の中から自身の遺志を残せる相手を選ぶことが出来ます。
ただし、認知症や知的障害、精神障害などにより契約などの法律行為が行えない方は、受任者になることが出来ません。
主な依頼先には以下のようになっています。
- 親戚や友人・知人など
- 弁護士・司法書士・行政書士
- 社会福祉協議会
- 民間企業
前述したように受任者には特別な資格は必要ありません。
そのため、あなたが信頼できる親戚や友人、知人の中から受任者を選ぶことが可能です。
もちろん家族を選ぶことも出来ます。
しかし、死後事務は相続人が行うのが一般的。
通常、近縁の家族は相続人となるため、事後事務委任契約を別個で結んでいないと、死後事務は家族が行うことになります。
そのため相続人となる家族と契約を結ぶケースはあまりありません。
死後事務委任契約の依頼先として優秀なのが、弁護士や司法書士などの士業関係の専門家です。
専門家であるため、死後事務の経験や知識が豊富でスムーズに事務処理を進めてくれるでしょう。
特に弁護士であれば、死後事務委任契約では関与できない相続などの「財産継承に関する項目」についても、相談することが出来ます。
また、法的なトラブルの予防や対処を安心して任せることが出来るでしょう。
ただし、費用的には割高になることを覚えておきましょう。
契約の依頼候補の一つとして社会福祉協議会もあります。
社会福祉の推進を目的としている民間組織であるため、協議会はすべての市町村に設置されています。
ただし、死後事務を取り扱っているかどうかは、その協議会次第です。
契約方法や死後事務の業務内容は限られている他、契約に必要な条件もあるため注意が必要です。
また死後事務を取り扱っていなくても、別業者を紹介してくれる場合も多いため、問い合わせしてみても良いでしょう。
弁護士や行政書士などと並んで、死後事務委任契約の依頼先として優秀なのが専門の民間企業です。
特に死後事務委任契約を含めた「生前契約」を専門業務としてる企業は、生前から死後までの一括したサポートを依頼することも可能です。
さらには多くの経験と実績から、あなたの希望を踏まえたうえで、一人ひとりにあったプランの提示がなされます。
弊社ではNPOりすシステム様の生前契約をお勧めしております。
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死後事務委任契約を結ぶ際は、下記の4つのステップに分かれます。
- 依頼内容を決める
- 受任者を決める
- 必要書類の準備と契約書の作成
- 契約書の公正証書化
それぞれを見ていきましょう。
まずはやってほしいこと、不安に思っていることをノートに書き出しましょう。
なぜなら「死後事務委任契約で実現したいこと」を明確にしておく必要があるからです。
その中から依頼する死後事務の内容を検討し決定します。
この段階では「どうしても実現したい内容」と「できれば依頼したい内容」に分けて、優先順位をつけておくと良いでしょう。
ただし相続に関して希望がある場合は、死後事務では依頼できないため、遺言などの方法も合わせて検討しておく必要があります。
次に依頼先となる受任者を決定します。
相手方と前項目で検討した依頼内容を相談し、費用の面でも折り合いがつけば、受任者を決定しましょう。
その際、あなたの遺志を反映する契約内容にするためにも、相手方に可能な限り詳細に伝えることが大切です。
依頼先が専門企業や弁護士などの士業であれば、あなたの提案内容に不備があったとしても、委任内容を的確に修正・再提案してくれるでしょう。
その上で的確な見積もりを作成し、双方納得の上で契約を結びましょう。
そのためにも、しっかりとした打ち合わせが必要になります。
受任者を決定し、委任する内容がしっかりと固まったら、それらを記載した契約書を作成する必要があります。
契約の締結には口頭でも可能ですが、言った言わないのトラブルのもとになりますし、証明することも出来ません。
そのため契約書を作成する必要があります。
後に公正証書化するため、必要な書類も準備しておきましょう。
以下の書類のいずれかが委任者、受任者ともに必要となります。
- 印鑑登録証明書(発行3ヵ月以内のもの)と実印
- 運転免許証と認印
- マイナンバーカードと認印
- パスポートと認印
最後に契約書を作成し必要書類を準備したら、公証役場で契約書を公正証書化します。
多少の費用はかかりますが、公正証書化すれば証拠能力は高くなるうえ、公証役場で保管されますので、記載内容の改ざんがなされる心配もありません。
仮に契約書を紛失したとしても、再発行が行えるというメリットもあります。
契約締結にあたって、記載内容の決定や契約書の作成を、相手方に任せっきりにしてしまってはいけません。
たとえ専門の事業者に依頼したとしても、重要部分に関しては自身の目で確認する必要があります。
例えば、預託金支払い済みの明記や報酬に関する記載などは得に注意しましょう。
また、死後に解約して欲しいwebサービスの名称など、死後事務を進める上で必要な情報が盛り込まれているかも確認してください。
その他にも下記のような注意点があります。
- 契約内容の有効性を確認する
- 親族への事前通知
- 本人の意思能力があるうちに準備する
- 事業者の倒産や預託金の返還など
希望する委任内容が実現可能なものか、法的に有効なのかを確認しておく必要があります。
また、通常「委任契約」は本人の死亡によって契約が無効となる旨が、民法653条第1項に定められています。
つまり、そのままでは死後事務委任契約していたと思っても、委任者の死亡によって無効になってしまいます。
そのような事態を防ぐには、「委任者の死亡によって死後事務委任契約を終了しない。」旨を特約で定めておかねばなりません。
法的な有効性については、専門家に相談すると良いでしょう。
スムーズに死後事務を進めるためには、契約の締結を親族へ通知しておくことが大切です。
死後事務委任契約は委任者と受任者の双方の同意で締結できる契約ですので、本来は親族へ知らせる必要がありません。
しかし、親族からすれば本人が亡くなった後に、いきなり出てきた不審者に見えることでしょう。
さらに葬儀や事務処理の進め方が、委任内容と親族の意向が異なると、トラブルのもとになりかねません。
そのような事態を避けるためにも、本人が元気なうちに親族へ教えておきましょう。
死後事務を委任するのは「契約」ですから、委任者の意思能力があるうちに準備する必要があります。
なぜなら契約は、当事者に意思能力が無ければ有効と認められないからです。
そのため本人が認知症などを患ってしまうと、死後事務委任契約は締結できません。
委任契約を結びたいという考えがあるなら、本人の元気なうちに早めの検討と行動が必要です。
死後事務委任契約は自身が元気なうちに締結する契約でありながら、契約の実行は自身の死後になります。
そのため、契約から実行まで数十年の時間が空くこともあります。
その間の懸念事項として、依頼した事業者の倒産や事業撤退などがあり得ます。
そのため、契約前にしっかりと事業者の経営状態をチェックしておくことが必要です。
また、事業者が預託金生産方式をとっている場合、事業者の運営資金と預託金を分別管理しているかどうかも確認しておきましょう。
分別管理されているだけで、流用する可能性が大きく減少します。
中でも預託金を信託口口座で分別管理されていれば、仮に事業者が倒産したとしても倒産隔離機能が働き、差し押さえの対象にならないため安心です。
預託金とは、死後事務を実行する際にかかる実費と受任者への報酬を見積もっておき、受任者にあらかじめ預けておく金銭の事をいいます。
受任者はこの預託金を使用することで、スムーズに依頼内容を実行していくことが出来ます。
預託金が無ければ、受任者が経費を立て替える必要があり、場合によっては依頼内容の実行が滞ることあるでしょう。
依頼内容によりかかる費用は大きく異なりますが、一般的には150~300万円ほどが見込まれます。
専門家や専門事業者に依頼した場合、死後事務委任契約で必要となる経費は主に以下の通りです。
- 契約書の作成費用
- 公証役場の手数料
- 死後事務委任の費用と報酬
専門家に契約書の作成を依頼すると、10~30万円程度の費用がかかります。
委任内容について細かく相談できるほか、法的に有効な契約書の作成が保証されています。
死後事務委任契約書を公正証書で作成する場合、手数料として11000円、謄本代として3000円が必要になります。
依頼内容を実行していくためには実費と受任者への報酬が必要です。
金額は依頼内容により大きく異なりますが、依頼内容ごとに積み上げて計算していく事になります。
主な内容と報酬の相場を列挙しておきましょう。
葬儀・埋葬手続き | 20~30万円 |
行政手続き(健康保険や年金など) | 10~15万円 |
知人等への連絡 | 1件につき5000~1万円 |
家賃や医療費などの支払い手続き | 5~10万円 |
公共料金の解約など | 1契約につき1~2万円 |
Webサービス、SNSアカウント、 デジタルデーターなどの解約・削除 | 1件につき1~2万円 |
遺品整理・家財の処分 | 3~5万円 |
依頼先により報酬料金は大きく異なりますので、あくまで目安とお考え下さい。
全てを依頼すると莫大な費用が必要になりますので、依頼内容はよく検討しましょう。
預託金がネックとなり、死後事務委任契約が必要なのに、依頼できない人もいます。
その場合は遺産や保険金から清算する方法もありますので検討してみましょう。
ただし遺産からの支払いは遺言書の作成が必要になりますし、保険も加入の可否という問題があります。
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生前契約とは、当記事で紹介している「任意後見制度」を含めた、「生前事務委任契約」と「死後事務委任契約」の三つのサポートから成り立つ契約です。
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いかがでしたか?
死後事務委任契約は自身が亡くなった後に遺志を託せる有効な方法です。
残された家族の負担を軽減したり、自身が希望する葬儀を実現することが出来ます。
ただし、自身の葬儀だからと言って、あまりに家族の意見とかけ離れた希望は控えた方が無難です。
なぜなら、葬儀は自身最後の祭典であると同時に、遺族や参列者との最後の別れの場。
家族が故人を心置きなく悼むことができるよう、取り計らうことも重要なことではないでしょうか。
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最後までお読みいただきありがとうございました。