介護タクシーを運営する上でで安定した売上を作るには、一定の利用者を集めなければなりません。
いわゆる「集客」ですね。
そして集客を行うには「営業」行う必要があります。
介護タクシーが「営業」を行う上で、もっとも重要なのが「集客ルートの理解」です。
なぜならここで言う集客は、一般的な商売でイメージされるような「売り込み型の営業」とは、まったく性質が異なるからです。
まずは前提として、介護タクシーの仕事は、利用者本人だけでなく、家族や病院・ケアマネジャーなど複数の関係者の信頼の上に成り立っていることを意識しましょう。
そのため、営業のやり方を間違えると、仕事が増えないどころか「避けられる存在」になってしまうことも珍しくありません。
そこで今回は、介護タクシーの主な集客ルートと、それぞれの集客ルートにおける「響く営業方法」を紹介します。
この記事は…
- 介護タクシーの開業を志している方
- 開業間もない介護タクシー事業者
- なにかしらの起業を考えている方
…などにお読みいただけると幸いです。
通常、介護タクシーの主な集客ルートは以下の4系統に分かれます。
- 医療機関(病院・クリニック)からの紹介
- ケアマネージャーからの紹介
- 施設(特養や有料老人ホームなど)からの依頼
- 利用者・家族からの問い合わせ
ここで重要なのは、それぞれのルートにはそれぞれの事情があるということ。
そこを考慮して「営業の考え方を変えなければならない」という点です。
それが解っていないと、一辺倒の営業を行って失敗することになりかねません。
次項から、それぞれのルートにおける営業方法について見てみましょう。
また、その他の有力な営業先については、以前記事にしていますのでこちらからお読みください。
病院は、介護タクシーにとって最も重要な集客ルートのひとつです。
というのも、病院は介護タクシーが必要になる場面が日常的に発生するからです。
例えば「退院時の移動」「移動が困難な通院患者の送迎」「転院時の移動手段」など、様々な場面で介護タクシーを必要としています。
ただし、病院側は介護タクシー業者を探しているわけではありません。
なぜなら「既に常用している事業者がいる」からです。
実際には「既存の業者で回っているが、足りない時がある」という状態がほとんどです。
そのため、病院営業で大切なのは、「選ばれる存在」になることではなく、「困った時に思い出してもらえる存在」になることです。
まずは「保険の一社」になることを念頭に置きましょう。

病院などの医療機関に評価される介護タクシーとは「事故を起こさない事業者」です。
決して「便利そうな事業者」ではありません。
そのため、対応できる範囲を明確にし、安全を最優先にしている姿勢を強く押し出しましょう。
そのほうが強く信頼してくれるでしょう。
たとえば、「状態によっては対応できない場合もあります。」「無理な移動はお断りします。」といった一言が響くのです。
これらは、一見すると消極的に見えるかもしれません。
しかし病院側からすると、「出来ないことは出来ない」と言える事業者のほうが安心なのです。
なぜなら、逆説的に「無理なく出来ること」を引き受ける事業者として判断されるからです。
結果として「事故を起こさない」「トラブルを避ける」事業者として、信頼を得ることが出来ます。
反対にやってはいけないのは、安さや万能さを前面に出す営業です。
たとえば「何でもできます」「いつでも空いています」というような言葉は嫌われます。
というのも、病院が最も恐れているのは、紹介した結果、家族からクレームが入ることです。
これらの言葉は「安請け合いしそう」「ダブルブッキングしそう」など、トラブルを連想させます。
このようなリスクを感じさせる営業は、自然と距離を置かれてしまい、逆効果となるでしょう。
- 無理をしない姿勢が信頼につながる
- 価格よりも安全性と誠実さ
- 「保険の一社」になる意識が重要

ケアマネージャーからの紹介は、介護タクシーにとって最も安定しやすい集客ルートです。
ただし、このルートは即効性がありません。
ケアマネージャーは、利用者・家族・医療機関すべてに責任を持つ立場です。
いわば調整役です。
そのため、介護タクシーを紹介する際には、「この人を紹介して大丈夫か」という点を非常に慎重に見ています。
つまり「トラブルを起こさないかどうか」が、ケアマネージャーにとって重要なのです。
ですがそれは、事業者自身ではとても証明しづらい事。
そのため、多くのケースでは営業で顔を合わせただけで、ケアマネージャーから依頼が来ることは、まずありません。
ケアマネージャにとって、有効なのは「間接的な営業」です。
どういうことかというと…
「病院で名前を聞いた。」「利用者から評判を聞いた。」「地域の会合で顔を合わせた。」
そうした積み重ねの先に、ようやく声がかかります。
そのため初期段階で効果的なのは、「仕事をください」という営業ではなく、「困った時に使ってもらえれば」という控えめな姿勢です。
「判断が難しい時は一度相談してください。」「合わなければ他を使ってください。」と言える余裕は、ケアマネにとって大きな安心材料になります。
結果的に信頼関係の構築へとつながるでしょう。
逆に、事務所への突然の訪問や、料金の話ばかりする営業は敬遠されがちです。
ケアマネージャーが求めているのは、安い業者ではありません。
「自分の仕事を増やさない業者」なのです。
そのため、自己主張の強い人は敬遠されがち。
他の事業者の悪口を言うなど、もってのほかです。
- トラブル回避力が最大の評価軸
- 即効性は期待しない
- 控えめな姿勢が信頼を生む

施設からの依頼は、実務的で現実的です。
どういうことかというと…
施設が介護タクシーを探している理由は「送迎業者が足りない」「職員が付き添えない」「急な外出が入った」など実務に関わる事情です。
そうした「現場の困りごと」を、現実に解消できるかどうかが判断基準になります。
つまり「即戦力として使えるかどうか」が重視されます。
施設営業で響くのは、「現場の判断はこちらで行います。」「細かい確認は不要です。」といった言葉です。
つまり「仕事が増えないこと。」「現場の負担が減ること。」が、施設職員にとって重要なのです。
一度任せたら安心して任せ続けられるか、が問われていると心得ましょう。
一方で、施設営業で避けたいことは…
「条件を曖昧にしたまま仕事を受けたり」、「後から料金が変わったり」「時間が守れなかったり」すると、信頼は一気に崩れます。
施設は、一度でも現場を混乱させた事業者を、簡単には使わないでしょう。
- スポット対応から信頼を積み上げる
- 現場目線を持つ
- 条件整理は最初に行う

利用者や家族からの直接依頼では、営業らしい営業はほとんど必要ありません。
その代わりに大切になるのが、「問い合わせに繋がる入り口を多数用意しておくこと」です。
- 電話問い合わせ
- ホームページやSNS、Googleマップ
- 口コミ・紹介
上記のような入り口を用意して、気軽に問い合わせできる環境を整えましょう。
さらに重要なのは「説明力」です。
利用者や家族にとって、営業とは不安を取り除くための説明であると心得ましょう。
問い合わせの時点で、家族はすでに不安を抱えています。
その不安を先回りして説明できるかどうかで、「問い合わせ」が「依頼」に化けるかどうかが決まります。
当日の流れ、料金が変わる可能性、その他で判断が必要になる場面。
これらを最初に丁寧に説明することで、「この人なら任せられる」と信頼を勝ち取りやすくなります。
特に、「追加料金が出そうなときは、必ず事前に説明します。」いう一言を付けくわえると、が強い安心感が生まれます。
逆に「専門用語を多用したり」、「説明を省いたり」するのは失敗の元。
なぜなら「大丈夫です。」「問題ありません。」といった言葉を繰り返すだけでは、利用者の不安は解消されないからです。
- 説明が最大の営業
- 透明性を重視する
- 安心が価格を上回る

いかかでしたか?
すべての集客ルートに共通しているのは、「売上を取りに行く姿勢」が逆効果になりやすいという点です。
介護タクシーの営業は、「選ばれる商売」ではなく「任される商売」。
そのため、ケアマネージャーや病院・施設などは「その人を紹介した結果、自分が困らないかどうか。」を見ているのです。
この一点が、すべての判断基準だといっても過言ではありません。
介護タクシーの営業は、信頼を預けてもらう行為だと心得ましょう。
この記事があなたの一助となれば幸いです。

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